
ハルツーム:先月の軍事クーデター以降、暴力的な弾圧で40人が死亡しており、何百人もの人々がデモを行い非難している。そして土曜、スーダンの反クーデター活動家が大規模デモを呼びかけた。
米国とアフリカ連合(AU)は双方ともデモ参加者に対する暴力的な弾圧を非難するとともに、スーダンの指導者に対し「武力の過剰な使用」を控えるよう求めた。
スーダンのアブドゥル・ファッターフ・アル・ブルハン最高司令官は10月25日、緊急事態宣言を発令。政権を奪い、文民の指導者を拘束した。
この軍事クーデターによって2年間の民政移管が覆され、広く国際的な非難と罰則措置を招いた。それだけでなく、人々を街頭デモへと駆り立てることとなった。
医療関係者によると、水曜のデモは、これまでで最も犠牲者の多いものとなったと言う。十代の若者が射殺され、死者数は16名に達した。
独立系団体「スーダン医師中央委員会(CCSD)」によれば、死亡した16歳の若者は「頭と脚に実弾を撃ち込まれた」と言う。
医療関係者の話によると、水曜日に死者が出たのは首都からナイル川を挟んで対岸に位置する北ハルツームがほとんどであったと言う。
土曜、北ハルツームの軍に反対して何百人ものデモ参加者が集まり、道路にバリケードを築いてタイヤに火をつけたと、AFPの特派員が伝えた。
参加者らは「ノー、軍の統治にノー」と唱え、「文民の統治」を求めた。
混乱の中で警察署が放火されたが、付近には警官はいなかったとAFPの特派員は付け加えた。誰が放火したのかはすぐには分からなかった。
スーダン専門職組合(SPA)はデモ参加者に対し、活動を継続するよう求めた。
土曜、民主主義賛成派の活動家がオンラインで「11月21日に総勢100万人規模の行進」をするというクーデター反対の大規模デモの呼びかけを行った。
SPAは2019年4月にオマル・アル・バシール大統領を失脚させることになった何ヶ月にも及ぶデモを支援した組合の傘下団体である。
土曜に集まった何十人ものデモ参加者も北ハルツームで起きた今回の死を悼み、「報復」と民政移管を要求した。
警察当局は実弾を使用したことを否定し、デモを分散させるために「最小限の武力」を使用したと主張している。北ハルツームのデモ参加者中、警察で記録している死者は1名のみとなっている。
金曜、クーデターに反対する祈りを捧げた後、小規模なデモのグループが複数の近郊の町に集まった。
目撃談によると、北ハルツームでは警官隊がデモを散らすため深夜まで散発的に催涙ガスを発射し、デモ参加者は道路にバリケードを築いていたと言う。
AFPの特派員によると、警官隊は通行人にもボディーチェックと身元確認を行っていたと言う。
SPAによれば、金曜、現地の「民家やモスクにも治安部隊が突入」していたという。
米国とアフリカ連合は、暴力的な弾圧を非難した。
「我々は平和的なデモ参加者に対する武力の過剰使用などの人権侵害や暴力を行った者に責任を負わせるよう求めます」米国国務省報道官ネッド・プライス氏はこのように発言した。
「今後の抗議活動が行われる前に、スーダン当局には自制を求めるとともに、平和的デモを許可するよう求めます」ネッド・プライス氏はそう付け加えた。
クーデターを受けてスーダンの参加資格を停止しているアフリカ連合も、「最も強い言葉」で水曜の暴力を非難した。
アフリカ連合のムーサ・ファキ・マハマト委員長はスーダン当局に対し、2019年に軍部と現在は退任させられている文民担当者との間で結ばれた権力分担の取引に従って「憲法に基づく秩序を回復させ、民政移管を再開」するよう求めた。
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)はクーデター反対デモの報道を行いながら、拘束された記者の解放を求めている。アリ・ファーザブ氏もその1人だ。同氏は水曜日に治安部隊に殴られ、撃たれ、拘束されたという。
CPJの中東・北アフリカ(MENA)プログラムの調整役を務めるシェリフ・マンスール氏は次のように語る。「クーデター政権はスーダンの民政移管を約束していると言いますが、アリ・ファーザブ記者に対するスーダン治安部隊の銃撃と暴行はそれを台無しにしています」
スーダンには軍事クーデターの長い歴史があり、1956年の独立以降、民主的な統治を享受していたのはほんの短い期間だけである。
最高司令官のブルハン氏は、軍の行動は「クーデターではない」と主張しており、「移管を是正」するためのステップだとしている。現在は解散させられた政権下では文民と軍部の派閥間の内部争いと分裂が深刻化していた。
そのためブルハン氏は新たな統治評議会を発表。そこで自身が代表を続ける。他に、強力な民兵の司令官、軍の上級幹部3人、元反政府リーダー3人、1名の民間人が含まれる。
しかし他の文民メンバー4人は退任となり、代わって、あまり知られていない人物が就任することとなった。
AFP