
ドバイ:国連参加IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、2015年の核合意の復帰に向けたイスラム共和国と世界の列国との交渉再開を数日後に控えたテヘランでの会談で、イランとの協力関係を深めたいと述べた。
「機関は、イラン政府との対話を継続し、深めていくことを求めている…我々は、透明性に関して引き続き共同で取り組んでいくことに合意しており、これを継続する」月曜日にテヘランに到着したグロッシ氏は、テレビ中継された記者会見でこのように述べた。
IAEAは先週、査察官への乱暴な扱いから、イランとの核合意の復帰に「不可欠」と考えられているカメラの再設置について、イランとの対立を詳細に記した報告書を発表した。
イランとアメリカは、ドナルド・トランプ前米大統領が3年前に離脱し、イランに厳しい制裁を再開した核合意復帰の方法を探るために、6月から中断していた間接交渉を11月29日にウィーンで再開する。
イランはこれに対し、濃縮ウランの備蓄の再構築、より高い核分裂性純度への濃縮、製造を加速するための高度な遠心分離機の設置など、協定で定められた核活動に関する重要な制限を破った。
イランとアメリカの間の核合意遵守に向けた外交の失敗は、新たな地域戦争のリスクにつながる。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は火曜日、イランとの対立を強める用意があることを示し、イランと世界の国々との新たな核合意に拘束されることはないと、改めて強調した。
9月には35カ国で構成されるIAEA理事会にて、イランが一部の核活動の監視を引き続き受けることに合意したため、西側諸国はイランへの避難決議採択の計画を中止した。
しかし、西側諸国は、3カ所の未申告施設で発見されたウランの痕跡についての説明と、IAEAの監視カメラ交換のためにカラジの遠心分離機部品製造工場へのIAEA査察官の立ち入りを認める、という2つの中心的課題について、イラン側の行動を求めている。
この工場では6月、明らかな妨害工作が行われ、4台あったIAEAのカメラのうち1台が破壊された。イランはそのカメラの「データ記録媒体」を返却しておらず、IAEAはイランにその所在を確認し、説明するよう求めたという。
「敵が発表した文書に基づきいくつかの疑問が提起された。これらの疑問には今、答えが出ている」と、イランの原子力機関トップであるモハマド・エスラミ長官は、グロッシ氏との会談後に述べた。
「イランは、この問題を政治的に扱うことなく、IAEAと共に技術的課題を解決することを決意している」
イランと世界の列国との間の核協議に悪影響を及ぼすとの恐れから、11月24日に開催される理事会では、イランに対する措置はなんらとられないだろう、と外交官たちは語った。