バサム・ジャアジャア
ベイルート:レバノンで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をばらまいたワクチン未接種の個人は、火曜日に裁可された新しい法律のもと、250,000レバノンポンド(165ドル、または闇市場レートで約10ドル)の罰金が科せられる場合がある。
ワクチン未接種でウイルスを広げた人には以前から50,000レバノンポンドの罰金が科せられていたが、今回はその額が引き上げられた。国営通信社が伝えた。
しかし、今回の法律改正ではCOVID-19の予防接種の義務付けは盛り込まれなかった。
火曜日は新規感染者が1,707人、ウイルス関連の死者が10人で日ごとの感染者数は増加しており、レバノンの保健当局は国民に予防接種を促している。
国民がこの罰金で行動を変えるかどうかについて、保健大臣のフィラス・アビアド博士がアラブニュースに語った。「レバノンの経済、財政状況と貧困レベルを考えれば、確実に効果があるでしょう」
しかし、レバノン人の実業家であるハニア・ミケーレ氏は「行き当たりばったりで無意味な法律」だと言い議員を批判した。
ミケーレ氏はアラブニュースに対し「誰かからCOVID-19をうつされたとしても私のせいではありません。いずれにせよ感染は広がるのですから。ワクチン未接種者に接種を遠回しに強いるため、意図して法律をつくったのかは分かりません」と語った。
「ワクチンを打った人でも、感染し、ウイルスを広げる可能性はあります。非合理的な法律だと思うのはそのためです」
バーベル・ユセフ氏は、ワクチン接種を済ませたレバノン人は40%に満たないと言った。「すでに破産している人々が250,000 レバノンポンドを支払えるのか疑問です。なぜワクチン接種を受けない人がいるのでしょうか」
「ウイルスをばらまいた人に罰金を科すのは間違いではありませんが、破産している人も多く、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査に払うお金がないのです」と彼は言った。
銀行員のガリア・ハーリ氏は、国内の経済危機のため、大半のレバノン住民はマスクを購入する余裕がなく、重い罰金など払えるわけがないと述べた。
「多くの親子が感染予防対策ルールを守っておらず、マスクもしていません。ワクチンを打てば感染しないと考えているのです。問題は法律自体よりもそれが機能するかどうかです」
ショップオーナーのムハンマド・イターニ氏は、議員の動きは効果がない上に遅すぎると指摘した。
そして「50,000ポンドから250,000ポンドへの罰則強化は遅すぎました。COVID-19の第4波は始まっており、日ごとの感染者数は恐ろしいです。流行が始まった時点で罰金を高額にし、マスク着用とワクチン接種を強制すべきでした」と付け加えた。
ニスリーンCと名乗るレバノン人の教育コンサルタントは、ワクチンを打つつもりはなく、それよりもマスクで予防すると述べ、「どれだけお金がかかっても、面倒があってもワクチンは受けません」と言った。
教師のマルワEは、「良い進展ですが、遅すぎます。財政の落ち込みの中で厳しく聞こえるかもしれませんが、この高い罰金で人々は予防接種を受け、マスクを着用するようになるでしょう」