
ラマッラー:パレスチナ保健省と医療関係者によると、10日にヨルダン川西岸地区で行われたイスラエルの入植地に対する抗議デモに付随して起きた衝突で、イスラエル軍がパレスチナ人1人を射殺し、負傷者も出た。
イスラエル軍によると、パレスチナの都市ナブルスの南にある地域に数百人のパレスチナ人が集まり、タイヤを燃やしたり、軍に向かって石を投げたりしていた。
イスラエル軍は声明で、「秩序を回復するために暴動鎮圧措置を取った。パレスチナ人が死亡したとの報告を受けている」と述べた。
パレスチナ保健省は、殺害されたパレスチナ人は頭を撃たれて病院に運ばれたが、間もなく死亡したと発表した。また、医療関係者によると、イスラエル軍の銃撃によりパレスチナ人4人が負傷し、50人以上が催涙ガスを吸って苦しんでいるという。
ヨルダン川西岸地区は1967年の中東戦争でイスラエルが占領した土地の一部で、パレスチナ人が国家樹立を目指している場所だ。
米国が仲介したパレスチナ人とイスラエルの協議が2014年に決裂して以来、同地区では暴力行為が続いている。
ナブルスの南にあるベイタ村では、パレスチナ人が近くにあるイスラエル人入植者の前哨入植地に対する怒りを表すために毎週抗議活動を行っており、しばしばイスラエル軍との激しい衝突に発展している。
パレスチナ人らは数週間に渡って物を燃やすデモを続け、前哨入植地はしばしば煙で包まれた。その後、入植者らはイスラエルのナフタリ・ベネット首相との合意に基づき、前哨入植地から退去することに7月に同意した。
しかし、前哨入植地の多くの建物は鍵が掛けられて軍の警備下に置かれたままとなっている。
前哨入植地がある土地の権利を主張するパレスチナ人らは、今後もデモを続けることを宣言している。
多くの国はイスラエル人による入植を違法とみなしている。
イスラエルはこれに異議を唱え、聖書や政治がこの土地とつながっていること、そして安全保障上の必要性を挙げている。
ロイター