
アラブニュース
ロンドン: 中東地域を担当する米軍最高司令官は、核開発と弾道ミサイルの配備を拡大しているイランを抑止するため、「断固たる軍事選択肢」を揃えていると述べた。
イラン核合意を巡るウィーン協議が停滞しているため、イランと米国間の緊張がここ数週間で高まっている。
フランク・マッケンジー司令官はフィナンシャル・タイムズ紙にこう語った。「イランが、イラクやシリアで攻撃を続け犠牲者を出してもなお、我々との核交渉に何の影響もないと考えているのであれば…私たちを過小評価しすぎでしょう。」
世界の主要国とイランは、金曜日に核合意の復活に向けた協議を行った。欧州の情報筋によると、議論は5カ月前に話し合われた文書をもとに進められており、イランの政府関係者は先週からの強硬な姿勢を崩していないようだ。
木曜日に再開した協議では、2015年の核合意に調印していない米国とイスラエルがイランに対し、外交が失敗した場合に起こりうる経済的・軍事的な影響に言及しながら度重なる圧力をかけた。
イランのトップ交渉官アリー・バーゲリー・カーニ氏によると、イランは先週提示した見解を改めることはないという。先週といえば、新たな要求を突きつけ今年初めに交わした妥協案を反故にしたイランを、欧米の政府関係者が非難し、交渉が中断した日である。
匿名を条件にした欧州のある情報筋によると、イランは6月に中断したところから協議を続けることに合意したと示唆しているようだ。また同氏は、ここ数日が正念場だろうと述べるも、イランの新たな提案については言及しなかった。
ロイター通信によると、ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は10月、イランの核兵器製造を阻止するための一連の軍事選択肢について、米国防総省の首脳陣から説明を受けたという(関係者の言)。
欧米諸国は遅々として進まない外交と、イランの明らかな強硬姿勢に不満を募らせている。
イランがイブラヒム・ライシ新大統領を選出した際には、数ヶ月間にわたって協議が中断された。またイランは米国との直接協議を拒否し、代わりに仲介者の利用を選択している。
イランは近年、核爆弾製造に必要なレベルに近いウラン濃縮を行うなど、核活動を活発化させている。イランは核開発の成果を無効にする前に、すべての制裁を解除するよう主張している。
核開発とミサイルや無人機製造で軍事力を増強しているイランに対処するためには、外交的な関与が依然として「最初で最良の道」であると、マッケンジー氏は語る。
「はっきりさせておきたいのは、今は外交主導で進めることが我々の意図であり目的なのです。それが誰にとっても最善の道であると、イランは理解する必要があります」と、彼は述べた。
先週、イランの交渉担当者が「現実的ではない」と思われる新たな提案を提出したため、英国、フランス、ドイツは、今年6回行った協議で合意した妥協案を反故にしたとイランを非難した。
匿名のバイデン政権関係者がFT紙に語ったところによると、イランの核開発が進み、協議がなかなか進まない状況に鑑みて、米国は「完全に別の道を歩むための下準備をしている」という。
同氏は次のように述べている。「もし外交がすぐに軌道に乗らず、イランの核開発が加速し続けるのであれば、我々はイランの収益部門にさらに制限をかける追加措置を取らざるを得ないでしょう。現時点ではこれ以上具体的なことは言えません。」