
トリポリ:大統領選挙の投票日を7日後に控えたリビア。正式に延期されたわけではないが、選挙関係者でさえ「間に合わない」と言っている選挙の見通しは全く立っていない。
並行して行われる新議会選挙と合わせ、大統領選挙は12月24日に予定されていた。この選挙はリビアの過去10年間の混乱を収束させるため、長年にわたる派閥の分裂を経て、国家的な正統性を持つ政治指導者を選出することを目的としていた。
しかし、この選挙はその手順の法的根拠や、対立の激しい有力候補者の資格などの基本的なルールをめぐり当初から激しい論争が繰り広げられ、いまだ解決には至っていない。
土曜日、選挙管理委員会は、登録された98名の候補者の中から選ばれた有資格者の最終リストを、司法や議会との法的な議論が終わるまで公表しないと発表した。
議論が続く中、治安を脅かす事件も発生したことを受け、選挙管理委員会のメンバーは木曜日、12月24日の投票はもはや不可能であると述べた。
ロイター通信が同日取材したリビア人の中には、投票が予定通り行われると考えている人はほぼおらず、大半は短期間の延期を予想していた。
ベンガジに住む43歳のアハメド・アリ氏は「投票は最大で3ヶ月間延期されるでしょう」と語った。
対立する候補者や政党は、各々の利益のために選挙の手順を妨害したり操作したりしようとしたとして、互いに非難し合っている。
選挙を推進する国連をはじめとする国際機関は、選挙を実施すべきだという姿勢を崩してはいない。しかし今週に入ってからは、予定されている12月24日の選挙実施に言及することはなくなった。
ここ数週間で大多数のリビア人が投票カードを受け取り、何千人もの人々が議会候補者として登録しており、選挙に対する国民の支持が広がっていることを示している。
ロンドンのシンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)のティム・イートン氏によると、リビアの政治団体は投票の失敗の責任を問われることを恐れ、投票の中止を公言する準備ができていないという。
「現状、法的な問題が解決できないことは明らかです」
「誰も投票が予定どおりに行われるとは思っていませんが、誰も言い出せないのです」と彼は続けた。
リビアは、選挙実行のための対策を講じることを目的とした短期的な遅延か、暫定政府の交代も含めた政治的ロードマップの再構築を目的とした長期的な遅延か、の選択を迫られている。
2011年にカダフィ大佐を追放した暴動以来、リビアは政治的に安定せず、2014年には東西の派閥に分裂した。
石油会社に勤める66歳のアリ・サード氏は、リビアの将来に涙したと言う。
「選挙が延期されるとしても、それが合意とルールに基づいたものであることを私は望みます。そうでなければ、事態は緊迫し、悲惨な結果になるでしょうから」
アナリストや外交官によれば、国際的な軍事的支援を受けて定着している東西両陣営の間で、直接的な戦争が再開される可能性は今のところ低いようだ。
しかし、どちらの陣営かに関わらず、特に武装勢力や政治派閥の分裂が加速しているトリポリでは、緊張状態が内部の権力争いに発展する可能性が高いという。
トリポリでは水曜日の夜、軍高官の交代の決定を受け、武装勢力が政府の建物を包囲したが戦闘は起こらず、治安筋によると事態は収束に向かっているという。
南部の都市セブハでは今週初め、対立する派閥に属するグループ同士が激しい衝突を起こしている。先月、選挙管理委員会は、戦闘員が投票所を襲撃、投票カードを盗んだと発表した。
ロイター