
東京:日本の河野太郎防衛大臣は9月3日、新型コロナウイルスの危機と闘う上で、継続性をもたせるためにも、この国の次期リーダーとして、菅義偉官房長官を支持すると述べたが、自身もいつか首相に就任するとの決意を示した。
日本のメディアでは、有力候補の1人として早くから見なされてきた河野大臣は、党の総裁選に出馬し、辞任する安倍晋三総理大臣の後継となることを考えていたが、菅長官が立候補する決意を表明したことを受けて、出馬しないことに決めた。
「COVID-19を封じ込めることは重要であり、また同時に、私たちはこの国の経済を再開する必要もあります」と、河野大臣はロイター通信とのインタビューで語った。「いつか私も首相になるつもりです」と、同大臣は付け加えた。
菅長官は2日、新たなリーダーを選ぶ与党、自由民主党(LDP)の総裁選に立候補する意思を表明し、安倍首相の政策路線をそのまま継承し、最後までやり通すことを約束した。
河野大臣が所属する派閥を始め、数派閥からの支持を受けて、安倍首相の長年の協力者である菅長官は、総裁選挙の最有力候補として浮上している。
安部首相は8月28日、辞任する意向を表明して、日本最長の在任記録を持つ総理大臣として在職期間を終えることとなった。総裁選挙は9月14日に実施される予定で、LDPの国会議員と都道府県連の代表が投票することになっている。
LDPの議員は国会議員の過半数を占めているので、総裁選当選者は事実上、総理大臣になることが保証されている。
外務大臣を務めた経験もある河野大臣(57歳)は、このパンデミックが一旦収束すれば、日本の次期リーダーには国家財政の再建に集中してもらいたいと語った。
「私たちは社会保障システムを維持する必要があります。つまり、私たちが今後どのように社会保険、年金、医療保険、児童扶養手当を提供するつもりなのか、ということです。これはとても重要課題になるでしょうし、そして、これは徹底的に議論する必要があると考えています」と、河野大臣は語った。
ジョージタウン大学で学び、流暢に英語を話す同大臣は、日本の政治家としては珍しく、Youtubeで生放送の質問フォームを最近開設し、国家安全保障から自らの個人的趣味に至るまで、多岐にわたる質問に答えている。
独自路線を行く人という評判にもかかわらず、河野大臣はそれでも、戦時下の歴史をめぐって、韓国への厳しい対応など、安倍首相の主要政策と歩調を合わせてきた。
このことにより、同大臣とその父親、河野洋平氏は区別されるようになった。河野洋平氏は、「従軍慰安婦」(戦時下の軍将兵売春宿で、強制的に働かされた朝鮮やその他の国の女性たちの婉曲表現)への1993年の謝罪を生み出した元内閣官房長官だった。
いつ首相になりたいのか、と尋ねられて、河野大臣は「いつでも」準備はできていると語った。
ロイター通信