
トリポリ:ボートが沈み、28人の移民の遺体がリビア西部の海岸に打ち上げられたと、26日に治安当局者が発表し、世界で最も多くの死者を出している移民ルートでのまた新たな悲劇となった。
「リビア赤新月社のチームは、トリポリから約90キロ(55マイル)のアル・アルースの海岸の2ヵ所で移民28人の遺体を収容し、3人の生存者を発見した」と、同情報筋は述べた。
「遺体の腐敗が進んでいることは、難破したのが数日前であることを示している」と、同関係筋は述べ、今後数時間で犠牲者は増える可能性があると付け加えた。
リビアの報道機関が公開した画像には、遺体が海岸に並べられ、その後遺体袋に入れられる様子が写っていた。
10年にわたる紛争と無法状態に苦しんでいるリビアは、ヨーロッパに辿り着こうと決死の試みをするアフリカやアジアの移民にとっての重要な出発地となっている。
移民たちは、リビアで恐ろしい環境に耐え忍んだ後、過密状態の、度々沈没したりトラブルを起こしたりする航海に適さない船に乗って北へと向かうことがしばしばだ。
今回の悲劇は、1週間で160人の移民が同様の事件で死亡したわずか数日後の出来事で、国際移住機関(IOM)によると、今年失われた人命の合計は1500人となった。
IOMは、同期間に3万人以上の移民が越境を阻止され、リビアに送還されたとしている。
EUは、ヨーロッパの海岸に到着する移民の数を削減するため、リビア沿岸警備隊と緊密に連携している。
多くの移民は帰国すると、収容所でさらにひどい虐待を受けることになる。
AFP通信