
ドバイ:イラン政府の核合意再建に向けてウィーンで開かれている有力国との協議が停滞するなか、テヘラン中心部で7日に行われた屋外での礼拝において3発のミサイルが展示された。
それぞれ「デズフール(Dezful)」「キアム(Qiam)」「ゾルファガール(Zolfaghar)」として知られるこれらのミサイルはすでに公開されているモデルで、公式な射程は最大1000キロである、と準軍事組織革命防衛隊が発表した。
2015年の核合意の枠組みに留まっているイギリス・フランス・ドイツ・ロシア・中国の代表者が核合意再建に向けてウィーンでイラン政府と協議を続けている。各国とイランとの交渉においては核開発停止と貿易拡大が交換条件とされている。
アメリカの代表団もウィーン入りしているが、イランとの直接交渉は行っていない。当時のドナルド・トランプ大統領が2018年に米国の核合意離脱とイランに対する制裁再開を一方的に決定し、現在合意は崩壊状態にある。
国営テレビの報道によると、今回展示されたミサイルはイラクにある米軍基地に対する攻撃で使用されたものと同じ種類であるという。
ミサイルが展示された7日は、2020年にイラン軍最高幹部のひとりガーセム・ソレイマニ司令官がバグダッドで米軍の無人攻撃機によって殺害されたことへの報復としてイランが実施したイラクの米軍基地に対する弾道ミサイル攻撃の2周年にあたる。
報復攻撃後、イラン軍が地上対空ミサイル2発で誤ってウクライナ国際航空PS752便を撃墜し、同機の搭乗者176人は全員死亡した。革命防衛隊は関与を数日間否定したのち公式に謝罪し、同便のボーイング737-800型機を米軍の巡航ミサイルと誤認した防空ミサイルオペレーターに責任があるとしていた。
イランの軍事法廷は11月にウクライナ機の撃墜に関与した疑いのある10人に対する審問を開いた。
事件の犠牲者追悼式典が犠牲者家族ならびに当局者を招いてテヘランの中央墓地で開かれた、と国営テレビが報じた。
AP