
エルサレム:イスラエルは9日、隔離を行うかどうかの判断に、ワクチン接種済みの人にはキットの使用を認めるとする決定を行ったことで、キットが店頭で不足し、価格高騰の不満が高まったことを受けて、新型コロナの自宅検査をより簡単に受けられるようにしようと模索した。
「我々は、国民の苦悩に心を配っている」と、ナフタリ・ベネット首相が週次閣議で述べ、イラエルの幼稚園または小学校に通う全ての子どもたちに、今後数日間で3回分の無料キットが配布されると発表した。
また、政府は大手薬局チェーンと値下げ交渉を行っているとベネット首相は述べ、次のように付け加えた。「いずれにせよ、近い将来、イスラエルに到着する数百万回分のキットが市場に溢れるので、コストは下がるだろう」
キットはイスラエルの店頭では約25シェケルから35シェケル(8ドルから11ドル)となっており、多くの店で売り切れが報告されている。
保健省のナフマン・アッシュ局長は、FM103ラジオに対し、単価は10シェケル(3ドル)以下にすべきだと語った。
新型コロナの感染者が急増し、義務付けられている検査を行う検査場には数時間待ちの行列ができていることを受けて、イスラエルは先週、PCRと専門家が実施する抗原検査は、60歳以上または免疫力が低下している人にのみ求められることになると発表した。その他のワクチン接種者は、今後、自宅検査頼みになるかもしれない。しかし、有効性については一部で懐疑的な見方も出た。
イスラエルのチャンネル12テレビは、このキットは新型コロナへの感染が確認された人の47%を見逃し、37%が偽陽性となったことを国防省の技術チームが発見したと報じた。同省の報道官はコメントを控えた。
イスラエルのパンデミック対応調整官のサルマン・ザルカ氏は、セルフ検査や自己申告は感染者を追跡する取り組みに妥協を生じさせることになると述べた。
「家庭用抗原検査キットでは感染率の規模を把握できない」と、同氏はラジオ、カンに語った。
イスラエルは、今後数週間で1日の感染者数が過去最高になることが予想されている中でも、新型コロナの新しい抗ウイルス薬が入院や重症化の抑制に役立つことになると期待している。
厚生省によると、人口940万人のうち約60%は、ワクチン接種を完了しているという。
ロイター通信