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レバノンのために金メダルを獲得した空手家

表彰台で金メダルを祝うマレック・アルジバウィ(左から3番目)
表彰台で金メダルを祝うマレック・アルジバウィ(左から3番目)
ポルトガルのポルトで行われた極真空手道選手権で対戦相手と戦うマレック(右)
ポルトガルのポルトで行われた極真空手道選手権で対戦相手と戦うマレック(右)
12 Dec 2019 01:12:59 GMT9

ドバイ、クラレート・モンソレート著

レバノンがニュースになる場合、すべては望ましくない理由のためです。深刻な経済危機の中でサリド・ハリリ首相が辞任し、抗議者らは長年の不満を訴えて道路を封鎖し、女性がセクハラに対するいら立ちを声に出す、などそのリストは尽きません。

しかしレバノンが混乱のさなかにある一方、首都ベイルートからはるかに離れた場所で、ある一人の大学生が国に誇りをもたらしました。

ポルトガルのポルトで開催された第33回極真空手道選手権で、マレック・アルジバウィ(Malek Al-Zibawi)が金メダルを獲得しました。この21歳の男性は、同じくレバノン出身のヤヒア・オマール(Yehya Omar)と共に、男性+90-kg級の大会で勝利をおさめ、3位に入賞しました。アルジバウィ氏は、さまざまな大学の参加者を含むレバノン代表団の一部として参加していました。

レバノンの代表団は金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル4個を獲得し、20か国以上が参加した選手権で6位にランクインしました。

しかしアルジバウィにとって金メダルへの道のりは、簡単なものではありませんでした。彼はアラブ・ニュースに次のように述べています。「あらゆる場所でデモや道路封鎖が行われているため、ここで訓練するのはとても難しいことです」

「通常であれば一日あたり2~3時間の練習をしますが、トーナメントまで1か月を切ったときは一日7~8時間の練習を開始します」

正々堂々とした戦闘の一種である極真は、いくつかの点でユニークであるとアルジバウィは述べています。「6歳であろうと60歳であろうと年齢を問わず、実践することができます。このスポーツは敬意と規律の上に作られています」

「戦う時は素手と素足です(グローブや保護具は使わない)。パンチはボディだけで、頭部へのパンチは許されていません」 

アルジバウィによると訓練は時間内のものだけではなく、適切なダイエット計画を立てることも重要で、環境が良い結果を導くようなものである場合にのみその両方が可能になる、といいます。

そのため彼はポルトガルでのトーナメントの1か月前に国を離れ、トーナメントに集中できるロシアのサンクトペテルブルクでトレーニングを行う決断をしました。

この移動が功を奏し、彼は金メダルと連合からの賞金200ユーロ(221.70ドル)を手にして帰国し、賞金は彼の次のトーナメントに資金とするために貯金されました。

アルジバウィ氏は、日本で開催された極真の全世界大会でロシア人選手と対戦し、試合はスプリット判定によって相手側の勝利となりました。それでも彼は、この敗北で挫けることはありませんでした。

「まだ2023年に世界タイトルを獲得できると感じています」と彼は述べました。その実現のためには、国の権力者が自国のスポーツのためにもっと力を注ぎ、「世界舞台でレバノンの旗を掲げる」ことができるクラブや選手に資金を提供する予算を増やす必要がある、と彼は提言しています。

アルジバウィ氏はさらに言いました。「彼らは(権力者)は、連盟を監視する独立したシステムを備え、そしてスポーツマンが望ましいコミュニティや国家を建設するプロセスにおいて大きな役割を果たしているのだから、大企業や裕福な人がスポーツに出資することを促すようなルールを適用させるべきでした」

空手技の型と組手が2020年の東京オリンピックでデビューすることになっているため、アルジバウィは極真もオリンピックの競技になるよう期待を寄せています。

大きな希望と多くの決意と共に、彼は自分と自国が今後数年でさらに栄光を手にするものと確信しています。

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