ラバト:モロッコの裁判所は12日、成績の認定と引き換えに性行為をしたとして大学講師に懲役2年の判決を言い渡した。地元メディアの報道。
昨年の9月に講師と学生とのやり取りとされるSNSのメッセージが表沙汰になり、それ以来、国内がこの問題に揺れている。一連の騒動の中で今回初めて判決が出された。
被告は、カサブランカ近くの街セタトにあるハッサンI大学で経済学の講師をしていたが、「わいせつ行為」「暴力」「性的嫌がらせ」で有罪となったという。
さらに4人の講師が、「放蕩の扇動」、性差別、女性に対する暴力という同様の罪状で13日に裁判にかけられることになっている。
近年、モロッコの大学では性的嫌がらせの大きな事件が相次いでいるが、大部分は裁判に至ることはなく、有罪判決も稀だ。
人権団体によると、モロッコでは性暴力が広がっているが、女性は報復行為や家族の名誉が傷つくことを恐れてなかなか申告しようとしない。
長年の激しい議論を経て、同国では2018年に法律が改正された。現在は「嫌がらせや肉体的・精神的攻撃、性的搾取、虐待」をした者に懲役刑が課される可能性があるが、女性の法的な保護がいまだ不十分という意見もある。
AFP