
ヘブロン:占領状態にある西岸地区で17日、兵士に刃物を向けたパレスチナ人を射殺したとイスラエル軍が発表した。
また別の事件では、高齢のパレスチナ人が約2週間前にイスラエル警察の車両に轢かれた後に死亡したとの発表がパレスチナ保健省からあった。
米国仲介によるイスラエルとの和平交渉が2014年に頓挫して以降、パレスチナ人が国家樹立を求める地域の1つである西岸地区では暴力がくすぶっている。
最近、車のドライバーが撮影したと思われる映像がSNSに投稿された。西岸地区のグーシュ・エツヨンの道路合流点に刃物を手にした男が横たわっており、そこに3人の兵士が銃を構えて近づいてくる場面だ。軍の報道官によると、車から出てきた男が兵士を刺そうとしたため射殺し、車は現場から逃走したという。
イスラエル軍はその後、死亡した男を郊外の村に住むパレスチナ人と特定した。
西岸の街ヘブロンにおいては、イスラエルによる西岸入植に長年抗議してきた75歳のスレイマン・アル・ハサリン氏の死亡が保健省から発表された。
親戚のハジム・アル・ハサリン氏によると、75歳の男性が住む村ウム・アル・ヘアに1月5日、公道を走れない車を回収するためにレッカー車が派遣され、彼はその前に立ちはだかったという。
その後レッカー車が男性に故意に衝突し、「前輪と後輪で轢いた」後、走り去ったという。
イスラエル警察はすぐにはコメントを出さなかった。
警察は14日にイスラエルのハアレツ紙に掲載された発表の中で、パレスチナ人たちがレッカー車とそれに同行した警察隊に投石したため、停車することができず、車から転落した男性も助けられなかったと述べた。
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は「自分の村を守って死んだ」とフェイスブックに書き込んだ。
村人によると、警察がレッカー移動しようとした車はイスラエルの車検に不合格となった後、イスラエル人から安価で購入したものだという。
ロイター