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イラクでシーア派のライバルが争う中、スンニ派とクルド人の政党が狙われる

2022年1月17日、イラクの首都バグダッドのカラダ地区にあるクルド系シハン銀行の外で起きた爆発事件の現場を確認するイラク人男性。(AFP)
2022年1月17日、イラクの首都バグダッドのカラダ地区にあるクルド系シハン銀行の外で起きた爆発事件の現場を確認するイラク人男性。(AFP)
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19 Jan 2022 06:01:54 GMT9
19 Jan 2022 06:01:54 GMT9
  • ここ数日、正体不明の攻撃者がクルド人やスンニ派を標的にして、政党事務所や議員の自宅などに手榴弾を投げ入れている

バグダッド:イラクのシーア派指導者たちが、新たに選出された議会で過半数を確保しようと躍起になっている中、スンニ派や少数派のクルド人が警告目的の手榴弾攻撃に巻き込まれているとアナリストが語る。

ここ数日、正体不明の攻撃者がクルド人やスンニ派を標的にして、政党事務所や議員の自宅などに手榴弾を投げ入れている。被害を受けた彼らは、シーア派聖職者モクタダ・サドル師が首相に任命されるのに必要な、議会の過半数を獲得可能なグループに属する。

政治学者のイーサン・アル・シャマリ氏は、「この攻撃は、モクタダ・サドル師と同盟し、議会の多数派を形成している勢力を脅すことが目的でしょう」と述べている。

「彼らのメッセージは政治的なものです」と付け加え、攻撃は一部のグループが採用している「政治的圧力の様式の一部」であるとしている。

多宗派・多民族国家であるイラクでは、2003年にアメリカ軍の侵攻によって独裁者サダム・フセインが倒されて以来、政府の樹立には複雑な交渉が必要とされてきた。

どの政党も過半数を占めていないため、次のリーダーは、同盟政党と交渉して最大勢力となった連立政権によって選出され、その連立政権がイラクの大統領を選出し、その大統領が首相を任命することになる。

これまでの議会では、イラクの多数派であるシーア派の政党が妥協の形で協力し、政府を樹立してきた。明言はされていないものの、首相はシーア派、大統領はクルド人、議会議長はスンニ派という体制が慣習となっている。

しかし、かつて反米民兵を率い、あらゆる外国の干渉に反対しているサドル師は、次期首相は自らの政党「サドル運動」によって選ばれると繰り返し発言している。

そのため、サドル師は、かつての準軍事組織ハシュド・アル・シャビの政治部門である親イラン派のファタハ同盟を含む、強力なシーア派の「調整枠組み」と同盟を結ぶのではなく、新たな連合を結成した。

その中には、スンニ派の2つの政党、タカダム党とアズム党、そしてクルディスタン民主党(KDP)が含まれている。

この行為が、自分たちのグループこそが多数派を維持すべきとする、調整枠組み派を激怒させた。

最近では、バグダッドにあるタカダム党議員の自宅や、アズム党、タカダム党、KDPの党事務所に手榴弾が投げ込まれた。

日曜日には、首都バグダッドにある2つのクルド系銀行の支店に閃光弾が投げ込まれ、2人が負傷している。

両銀行の頭取は、イラク北部クルディスタン自治区の政治指導者と親しいと言われている。

また、11月には、ムスタファ・アル・カディミ首相の自宅に爆発物を搭載したドローンが墜落する事件が発生。首相は無傷で逃れたものの、首相官邸は「暗殺未遂」と発表するなど、選挙後の混乱が続いている。

この攻撃に関する声明を出しているグループは無い。

最近の手榴弾爆発事件の犯人も特定されていないが、ある治安筋は、これらの攻撃は「選挙で負けた政党からのメッセージを伝えている」と主張している。

その目的は、「政府の成立を混乱させること」であるとし、これは暗に「調整枠組み」、特にファタハ連合を指している。

ファタハは10月10日の投票で、それまでの48議席から17議席と大きく議席を減らし、政治的資本の多くを失った。

ファタハは不正選挙を主張したが、イラクの最高裁判所はハシュドが提出した不正選挙の訴えを却下した。

シーア派民兵を中心とするハシュドは、武器、戦闘員、支持者を保有しており、デモや座り込みなど、議会以外の場でも自らの意見を伝えるために様々な方法を探っている。

国際危機グループ(ICG)のラヒブ・ヒゲル氏は、「彼らは投票での敗北を受け入れるどころか、暴力で脅しています」と述べている。

サドル師は、ファタハ指導者ハディ・アル・アメリ氏など、一部の調整枠組み派メンバーと取引し、ヌリ・アル・マリキ元首相などの、他の調整枠組み派の人物を犠牲にすることを検討したと、ヒゲル氏は述べている。

しかし、このような調整は「イランの好みではない」とヒゲル氏は主張する。「イランはむしろ、すべてのシーア派政党間のコンセンサスを望んでいる」と付け加えた。

しかし、イランは、シーア派の政党が主導権を握るような協定であれば受け入れる可能性があると、彼女は述べている。「イランは、ハシュドを含むシーア派の政党が十分に存在する限り、次期政権にシーア派全員は参加できない、というシナリオを受け入れる可能性があります」

AFP

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