
ウィーン:米国は、2015年のイラン核合意再開について、ワシントンが「人質」と指摘する4人の米国人をテヘランが解放しない限り、イランとの合意に至る可能性は低いと、米国の核交渉担当責任者が日曜日、ロイターに語った。
ロバート・マリー米国イラン特使は、イランで拘束されている4人の問題は、核交渉とは別であるという、長年の米国の立場を繰り返した。しかし、同氏の発言は、4人の解放が核合意の前提条件であるという意思表明に一歩近づいた。
「両者は別々の問題であり、我々はその両方の解決を目指しています。しかし、4人の無実のアメリカ人がイランの人質になっている中で、核合意を再開することは非常に難しいと言えるでしょう」と、マリー氏はロイターのインタビューに対し語った。
マリー氏は、ワシントンとテヘランが核合意を完全に遵守するための協議が行われているウィーンで、「核の合意文書に関して間接的にイランと協議を行っている間にも、人質の確実な解放のためにも同様に、間接的にイランと協議を行っています」と述べた。
近年、イランの精鋭部隊である革命防衛隊は、何十人もの二重国籍者や外国人を逮捕しており、そのほとんどがスパイ活動や安全保障関連の容疑をかけられている。
人権団体は、イランが外交上の影響力を得るために囚人を拘束していると非難しており、欧米諸国は長年にわたり、政治犯とされる自国民の解放をテヘランに要求してきた。
テヘランは、政治的な理由による拘束について否定している。
メッセージは送られた
マレー氏は、元米国外交官のバリー・ローゼン氏(77歳)との共同インタビューに応じた。ローゼン氏は、イランにいる米国、英国、フランス、ドイツ、オーストリア、スウェーデンの囚人の釈放を求めてウィーンでハンガーストライキを行っており、彼らの釈放なくして核合意は成立しないと主張している。
ローゼン氏は、1979-1981年の「イラン・アメリカ大使館人質事件」で拘束された50人以上の米国外交官の一人である。
「ローゼン氏の行動にとても感謝しているという人質の家族と話をしましたが、私と同様、メッセージは送られたのだから、ハンガーストライキをやめるように懇願しています」とマレー氏は語った。
ローゼン氏は、5日間も食事を取っておらず体力が落ちており、こうした声に耳を傾けるつもりだという。
「マリー特使や私の担当医などからの要請で、この会議の後、私はハンガーストライキを中止します。しかしこれは、他の人がそのバトンを受け取らないということではないということではありません」とローゼン氏は述べた。
2015年に締結された画期的な各合意に両国が完全に準拠するようにするための、イランと米国の間接協議は、8回目を迎えている。イランは米国の高官との会談を拒否しているため、仲介者が両者の間を行き来している状態だ。
イランと主要国との間で交わされたこの協定は、イランの核活動を制限する代わりに、テヘランに対する制裁を解除し、核爆弾を開発する場合にも必要となる核分裂性物質を入手するための期間を延長した。イランは核兵器の保有を否定している。
ドナルド・トランプ大統領(当時)は、2018年に米国をこの協定から離脱させ、テヘランに対して懲罰的な経済制裁を再び発動した。イランはこれに反発、協定の核に関する制限の多くを破り、西欧諸国は協定がまもなく完全に空洞化するだろうと指摘している。
人質交渉のレバレッジ
イランとアメリカが直接交渉する可能性があるかどうかを尋ねられたマリー氏は、次のように答えた。「そのような話は聞いていませんが、私たちはそれを歓迎します」
4人の米国人には、イラン系米国人のビジネスマン、シアマック・ナマジ氏(50歳)とその父親バケル氏(85歳)が含まれており、いずれも「敵対政府への協力」の罪で有罪判決を受けている。ナマジ氏は現在も刑務所に収監されている。父親は2018年に医療上の理由で一時釈放され、その後刑期も短縮された。父バケル氏は現在収監されてはいないが、家族の弁護士によると、イランから出ることを事実上禁じられているという。
「バイデン政権の高官は、イランの核取引と人質釈放の問題は独立しており、並行して交渉しなければならないが、核取引だけを単独で締結することはないと繰り返し語っています」と、ナマジー家のプロボノ(無償)弁護士であるジャレッド・ゲンザー氏は述べている。
「そうでなければ、人質を釈放させるためのすべてのレバレッジが失われてしまうでしょう」と付け加えた。
他の囚人は、環境保護活動家のモラド・タバズ氏(66歳)と実業家のエマド・シャルギ氏(57歳)で、いずれも英国人である。
ロイター