
サイード・アル・バタティ
アル・ムカッラー:メディア監視団体とアメリカ外交官は、イランの支援するフーシ派が首都サナアで複数のコミュニティFMを閉鎖したことを受け非難し、人権団体はサナア市内での捕虜虐待をやめるよう求めた。
「国境なき記者団」は2日、フーシ派を讃える歌の放送を拒否したとの理由で、イエメンの首都サナアにあるラジオ局6カ所をフーシ派部隊が閉鎖したと発表した。
「@RSF_interはフーシ派によるメディア番組制作への妨害行為を非難する」と国境なき記者団がTwitterに投稿した。
在イエメン米国大使館のキャシー・ウェストリー公使も、ラジオ局閉鎖とフーシ派によるジャーナリスト弾圧に対し懸念を表明した。
「イエメンにおけるメディア環境の悪化に対し、強い懸念を抱いています。一部報道機関の活動停止とジャーナリストに対する恣意的な身柄拘束・嫌がらせは、不穏な動きを示すものです」と彼女は声明で述べた。
サナアを拠点に活動するジャーナリスト団体が、フーシ派部隊により「イエメンの声」「グランドFM」「アル・オウラ」「コミュニティー幼年時代」「アル・ディワン」「デルタ」の各ラジオ局が、許可を得ずに活動し上納金を払わなかったとして閉鎖されたと発表した。
ラジオ局のオーナーたちは放送再開を認めるようフーシ派と交渉したが失敗し、イエメン国内の数百人のジャーナリストを統括する団体「イエメン・ジャーナリスト連合(YJS)」に通報するほかなかった。
YJSはフーシ派の動きを激しく非難し、自らが統括する地域のジャーナリストに対する弾圧を中止するよう要求した。
「YJSは、言論と表現の自由を制限するフーシ派の恣意的な措置を非難し、これらラジオ局の迅速な放送再開とすべての違法措置の停止を要求し、今回の言論弾圧の全責任がフーシ派にあると見なす」と声明で述べた。
「イエメンの声」のマジリ・アル・サマディ代表はFacebookに投稿し、フーシ派によるラジオ局の閉鎖後、自分と10名のジャーナリストたちが失業したと述べた。さらに自分のラジオ局はこれまで8年間「中立のスタンスで」放送していたと付け加えた。
「ほとんどの人が我々のプロ意識と独立性を知っています… 我々は特定の政治的立場を取っていません」と述べた。
2014年後半にサナアを占拠して以降、フーシ派は反対派や独立系メディアに対する攻撃を強めており、ジャーナリスト数十名が政府の支配下にある地域に立ち退くか、国外脱出を余儀なくされている。
多くのジャーナリストたちがフーシ派の拷問を受けており、死刑宣告を受けた事例もある。
さらにサナアでは、数千名にのぼるイエメン紛争捕虜の親族女性を代表する組織「拉致被害者母の会」が2日に緊急嘆願書を送り、思想教育セミナーへの参加を拒否したためフーシ派による拷問を受ける拉致被害者数十名の救出を求めた。
シャムラン治安情報刑務所では、フーシ派のスローガンを唱えプロパガンダ訓練に参加するのを拒否した囚人たちから、刑務官が食べ物や毛布に至るまで所持品を没収し、厳しい寒さにも関わらず軽装しか着用を認めなかった。
「治安情報刑務所に拉致・収監されている息子たちに対する人権侵害を、強く非難します。特に今は寒さが厳しく熱病などが多発する時期です」と「拉致被害者母の会」は声明で述べた。
「さらに我々は、武装組織フーシ派が国際法・国内法を守らないことを非難し、拉致された息子たちの生命と身の安全に対する全責任がフーシ派にあると宣言します」