
ナディア・アル・ファオール
ドバイ:ミゲル・アンヘル・アユソ枢機卿は、人類友愛に関する文書は「宗教間対話の道におけるマイルストーン」であると、人類友愛国際デーを記念するドバイ国際博覧会のイベントに合わせ、アラブニュースに語った。
彼は、2019年2月4日にアブダビでカトリック教会の教皇フランシスコとアル・アズハルのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師によって行われた文書への署名から3周年を記念して、金曜日に万博のサステナビリティ・パビリオンに集まった数名の宗教指導者の一人だ。
共同宣言は、すべての人々の間の平和を呼びかけるとともに、すべての宗教間対話と協力の文化のための構想を示した。
共同イニシアティブと平和的共存のための諸宗教対話と人類友愛に向けた教皇庁評議会議長、ミゲル・アンヘル・アユソ枢機卿。(提供)
教皇庁諸宗教対話評議会議長で、イスラム教の歴史家として知られるスペイン出身のアユソ氏は、「私たちは世界市民です」と述べた。
「神のすべての信者は、今日私たちが直面している問題に立ち向かうために協力しなくてはいけません。キリスト教でもイスラム教でもユダヤ教でも、価値観を培い、宗教との関係を維持することが重要です」
この記念日を記念して、教皇フランシスコとアル・タイーブ師はビデオメッセージを送り、宗教間の理解の継続を呼びかけた。
教皇フランシスコは、「今は無関心でいる時ではありません」と述べた。「私たちが兄弟姉妹であるか、すべてが崩壊するかのどちらかです」
アル・タイーブ師はこう語った。「この祝典は、寛容、友愛、連帯、協力の精神が行き渡る、より良い世界の探求を意味します。また、現代の人類が抱える危機や課題に立ち向かうための効果的な手段の提供への希望も示します」
2019年2月4日にアブダビでカトリック教会の教皇フランシスコとアル・アズハルのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師が文書に共同署名を行ってから3年が経つ。(提供)
「私たちは、戦争や紛争がなくなり、恐れを抱く人々が安心し、貧しい人々が支えられ、弱い人々が守られ、正義が貫かれた新しい世界を願って、この道に踏み出しました」
祝典の冒頭、人類友愛のための高等委員会事務局長モハメド・アブデルサラム判事は、人間友愛に関する文書がいかに人々に偏見と戦い、説明責任を高める力を与え、「持つ者と持たざる者、金持ちと貧しい者、両方の性」に保護を提供するかを強調した。
人類友愛高等委員会は、UAE当局によって設立され、毎年、「人類友愛への生涯の献身を活動を通じて体現した」人や組織に贈られるザイド賞の受賞者を決定している。
昨年の受賞者は、アントニオ・グテーレス国連事務総長と、10年前に息子をテロで亡くして以来、過激化に対するキャンペーンを精力的に行ってきたモロッコ系フランス人の活動家、ラティファ・イブン・ジアテン氏だった。
ドバイで金曜日に行われたイベントで、アル・アズハルのグランド・イマーム代理であるモハメド・アルディワイニ氏は、宗教的寛容さを支持し、憎悪や差別など「いかなる病も捨てる」ことが必須であると述べた。
「もし私たちが宗教を正しい形で、誤った解釈をせずに守っていれば、私たちは最良の状態で暮らしていけるでしょう」と彼は出席者に語った。
2022年2月4日ドバイにて、共同イニシアティブと平和的共存のための諸宗教対話と人類友愛に向けた教皇庁評議会議長、ミゲル・アンヘル・アユソ枢機卿(左)と、UAE寛容・共生相シェイク・ナヒヤーン・ムバラク・アル・ナヒヤーン殿下(中央)、グランド・イマーム代理モハメド・アルディワイニ・アル・アズハル博士(右)。(AFP)
オープニングセレモニーでは、マハトマ・ガンジー、マザー・テレサ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、UAE樹立の原動力となり生涯を通じて多元性を唱えたシェイク・ザーイドなど、共生の大義に貢献したリーダーらを紹介する短い動画が上映された。
人類友愛国際デーを記念して、ジョー・バイデン米国大統領は高等委員会に書簡を送り、今日の課題に対応するための世界的な連帯を呼びかけた。
「新型コロナウイルスパンデミックの進行中の脅威や、人類の存続に関わる気候危機から、世界各地での暴力の増加まで、これらの課題には、あらゆる背景、文化、信仰、信念を持つ人々のグローバルな協力が必要です」と、バイデン氏は書いた。
さらに、これらの課題には、「寛容、包括、理解を促進するために、開かれた対話の中で互いに話し合うことが必要です。そして何よりも、私たちが心を開き、協力し、共感し、すべての人々が尊厳を持って、社会の完全な参加者として扱われることを保証することが必要なのです」と付け加えた。
これらの言葉同様に、アユソ枢機卿は、パンデミックはあらゆる宗教的背景を持つ人々にとっての課題であると述べ、しかし、信仰が危機を乗り越えるようにコミュニティを導き、その回復を助けると付け加えた。
「今日のパンデミックによって、人々はロックダウンに追いやられ、礼拝所の信者の数は減りましたが、彼らの信仰心はより強くなったと思います」と、彼はアラブニュースに語った。
「宗教は社会で活動すべきではないと訴える人もいますが、宗教は問題ではなく、むしろ解決策の一部なのです」