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アンカラとアブダビ、新たな関係構築へ

2022年2月14日、UAEのアブダビで儀仗兵を閲兵するトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とムハンマド・ビン・ザーイド皇太子。(AFP)
2022年2月14日、UAEのアブダビで儀仗兵を閲兵するトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とムハンマド・ビン・ザーイド皇太子。(AFP)
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15 Feb 2022 01:02:42 GMT9
15 Feb 2022 01:02:42 GMT9
  • トルコとアラブ首長国連邦(UAE)は、地域における両国の対立関係の改善に向けて努力している。アナリストがアラブニュースに語った 
  • 専門家は、シリアとリビアにおける二国間協力の潜在的な可能性に期待を寄せている

メネクセ・トキャイ

アンカラ:トルコがここ最近行っている国交正常化に向けた取り組みの一環として、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領がUAEを訪問した。両国の関係における新時代の到来を告げるとともに、地域全体に安定をもたらす一歩となることが期待される。  

訪問は月曜日に行われた。トルコの首脳による訪問は、2013年以来初となる。両国はこれまで、東地中海のガス開発や地域紛争に関連するさまざまな危機に見舞われてきた。

両国の関係を改善するため、湾岸産油国のUAEはトルコとの貿易量を2倍、3倍に増やし、また、この新たな同盟国の物流上の優位性とサプライチェーンを利用して世界の他の市場に進出したい考えだ。 

訪問の前日、エルドアン氏はUAEの日刊紙「Khaleej Times」に特別寄稿し、地域の平和と安定と繁栄のために二国間協力を深めることの重要性を強調した。 

氏はさらに、気候変動や水と食糧の安全など、さまざまな側面での協力強化を望むトルコの考えを述べた。 

11月下旬にはムハンマド・ビン・ザーイド皇太子が9年ぶりにアンカラへの首脳訪問を行い、UAEは資金難に苦しむトルコのエネルギーと医療分野への戦略投資に、100億ドルの資金を割り当てた。

この訪問で両国は安全保障、経済、技術に関するいくつかの協定も締結した。 

エルドアン氏の訪問が予定通りに進めば、両国の和解により、海外からの投資フローが改善するだけでなく、同国の地域的孤立の緩和につながる可能性が高い。

英国王立防衛安全保障研究所のアソシエイト・フェローであるサミュエル・ラマニ氏は、トルコとUAEは、地域における両国の対立関係の緩和に向けて努力していると考えている。 

同氏はアラブニュースに、「UAEとの緊張関係の緩和に向けたトルコの取り組みは、同国のサウジアラビアやイスラエルへの対応に重なる。一方UAEは、自らを軍事力よりも外交力や経済力に依拠する地域大国として印象付けようとしている」と述べた。

ラマニ氏によると、以前からこの問題に取り組んでいるとはいえ、両国がこのタイミングで関係改善に動いた理由として、トルコにとっての黒海および地中海の情勢緊迫化のリスク、そしてイエメンにおけるフーシ派およびイランというUAEへの脅威が新たに生じたことも挙げられるという。

エルドアン氏のドバイ到着を前に、トルコ国歌をバックにブルジュ・ハリファがトルコ国旗の色にライトアップされた。. 

専門家からは、シリアやリビアにおける二国間協力の潜在的な可能性に期待する声も上がっている。特に後者は長年にわたる内戦を経て、政治的な過渡期を迎えている。 

アンカラを拠点に活動する政治アナリスト、アイディン・セゼール氏はアラブニュースに対し「関係正常化のために、シリアとリビアに関する政策の一致は必須ではないだろうが、この2つのテーマは二国間の議題に上がることになる」と述べた。 

さらに同氏は以下のように続けた。「このような協力について、トルコはすぐに承諾するはずだ。これにより同国は重大な負担から解放され、また、シリアにおける存在感を強めることで経済的利益を得ることができる」

セゼール氏は、トルコとUAEがシリアとリビアのインフラ計画への投資活動を開始する可能性が高いと見ている。  

「さらに、トルコの企業や熟練労働者が技術支援に参加する機会を得られる。一方、トルコ・UAE間で進行中の関係改善により、リビアでの政治的対立は完全に終わり、地域の各国にとって利益となる関係にシフトした」と氏は述べた。

リビア専門の研究者ジャレル・ハルチャウイ氏はむしろ、シリアとリビアにおいてここ数年、トルコは自国の目標の多くを——主に軍事力の行使によって——達成したと考える。

「トルコは自国の影響力を低下させたくはないが、同時にUAEの申し出にも関心を持っている」と氏はアラブニュースに語った。

氏によればトルコは、その努力に対してUAEからある程度の応えが得られ、2019年と2020年に見られたような本格的な戦争が今年は回避される限り、リビアとシリアでの厄介な現実問題を受け入れるつもりだという。

ラマニ氏は異議を唱える。 

氏は、「シリアとリビアにおけるトルコとUAEの利害の衝突は続く。トルコとUAEの競争がシリアで白熱することはなさそうだ。(バッシャール・)アサド氏の承認に関する問題を除けば、これまでもそうだった。しかし、リビアが選挙の実施に向けて混乱の中を前進している今、トルコとUAEは競争を続けるだろう」と述べた。 

しかしラマニ氏はこれに付け加えて、今のところリビアでも、激しい軍事衝突や代理戦争より、政治的影響力や有利な経済取引を獲得するといった比較的穏やかな競争の方が妥当であると述べた。

北アフリカの産油国で、現在2人の首相がいる同国は、すでに政治的な手詰まり状態にある。選挙が無期限に延期されるなど、10年にわたる情勢不安定と政治空白が未だ解消されていない。

新たな選挙日程は今週中に発表される予定だ。. 

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