

アラブニュース
ロンドン:ドバイ警察は火曜日、オランダで最重要指名手配されていた麻薬王をドバイで逮捕したと発表した。
ドバイ警察は、ヨーロッパやアフリカで活動する「死の天使(Angels of Death)」カルテルのリーダーと見られるリドゥアン・タギ(41歳)を逮捕したことを発表した。
ドバイ警察犯罪捜査部(CID)のジャマル・サレム・アル-ジャラフ部長がオランダのメディアに語ったところによると、タギは2016年からドバイで生活しており、ほぼ外に出ることがなかったというヴィラ内で逮捕された。
同氏はモロッコ出身のタギを「極めて用心深い」と表し、「家のカーテンは常に閉じられていて明かりが点くこともなかった。室内に人がいるのか外からはわからなかった」と話した。
タギはまた、大きな裁判の被告となっていたが、この裁判の検察側証人の弁護人を務めていたオランダ人弁護士がアムステルダムの自宅前で射殺される事件が9月にあり、この件に関しても国外から注目を集めていた。
エミレーツニュースエージェンシー(WAM)によると、ドバイ警察では、タギには昨年、複数の殺人の指示、麻薬密輸、犯罪カルテルへの所属の容疑でいくつかの国際逮捕状が出されており、今回の逮捕はドバイ警察、オランダの当局、インターポールの協力によって実現したとしている。
ドバイ警察司令官のアブドゥラ・カリファ・アル-マリ少将は、同容疑者が別人のパスポートとビザを含む正式な書類を使ってドバイ国際空港から入国し、オランダからの入国ということでモロッコの当局から同容疑者に関する通知が届く前にUAEに入国してしまったと話した。
同少将はまた、タギ容疑者が一切の犯罪活動に関わることなくドバイの住宅街の1つに暮らし、様々な国籍の知人の助けを借りながら日常生活を送っていたことを明かした。
タギの逮捕に関連して、オランダ警察は同国全土に及ぶ一連の強制捜索によって6名を逮捕した。
オランダ警察は次の声明を発表している。「タギの逮捕を受けて月曜日夜に住宅8軒を捜索し、6名を逮捕した。内訳は29歳から45歳までの男性5名と女性1名。」
「容疑はマネーロンダリング、武器所持、薬物所持。」
捜索は首都であるアムステルダムと中央都市のユトレヒトを含む複数の場所で行われた。
WAMの報道によると、オランダ警察のエリック・エイカーブーム長官はUAE当局とドバイ警察に対してタギ逮捕にあたっての彼らの協力と尽力に謝意を表した。
同長官はドバイ警察による支援は同容疑者が逮捕されるうえで「非常に重要」であったと語り、ドバイ警察が「国境を超えた組織犯罪と対峙するうえで様々な国の当局間が協力するという模範を示した」と続けた。
オランダのメディアでは、オランダとドバイの2国は犯罪者送還条約を結んでいないものの、タギの2月末までの身柄引き渡しを目指して足並みを揃えているとしている。
(AFP)