
ドバイ:UAEの原子力規制庁は23日、国内唯一の原子力発電所の安全性が「十分に確保されている」と述べた。同国へはドローンやミサイルによる前例のない攻撃が続いているが、それを受けての発言だ。
イランとつながりのあるイエメンのフーシ派は今年、ドローンとミサイルでの攻撃をUAEに3回仕掛けている。
「原子力発電所は高い安全性の原則に則って設計されており、物理面やサイバーセキュリティ面でも規制をかけている」。連邦原子力規制庁(FANR)のクリストファー・ヴィクトルソン長官はそう述べた。
また「発電所の重要部分はいかなる出来事にも十分安全性が確保されている」とし、UAEは全体として「高い安全性を誇っている」と報道陣に語った。
原子力発電所は、UAEを構成する7首長国の1つで首都でもあるアブダビに設置されており、アラブ諸国初の原子力発電所でもある。産油国であるUAEは2050年までのカーボンニュートラル実現を掲げているが、その目標達成の1つの手段となっている。
バラカ発電所には4基の原子炉が設置される計画で、合計出力は5600メガワット(MW)。これは国全体の電力需要の25%に相当する。
1号機は2021年4月に操業を開始し、1400MWを発電している。
同年3月に許可の下りた2号機は現在試験運転中で、まもなく1400MWを出力する予定だとヴィクトルソン長官は述べている。
発電所を運営するNawahエナジー社が規制を遵守していることを示せば、FANRは今年中に3号機にも操業許可を出すとみられる。
Nawah社はその後、試運転を8~9か月実施し、ゆくゆくは国内に送電する。
ロイター