
ベイルート:10年以上にわたる内戦で壊滅的な被害が発生しているシリアでは、人道支援を必要としている人の数が過去最多を更新している。国連が発表した。
国連の人道支援機関であるOCHAが発表した報告書によると、シリアでは少なくとも1460万人が人道支援を必要としており、昨年の1340万人から増加した。
「シリアの人々は、危機が始まって以来最も苦しい状態にある」。国連のシリア紛争地域担当・人道副調整官マーク・カッツ氏は述べた。
同氏は「国連とそのパートナー団体は、毎月700万人に手を差し伸べているが、さらなる支援が必要だ」とツイッターで発言した。
2011年の反政府デモに対する残虐な弾圧から始まったシリア内戦により、約50万人が死亡し、数百万人が避難を余儀なくされたと推定されている。
同国はまた、欧米諸国による制裁やCOVID-19の感染爆発、シリア・ポンドの急落などを受け、経済危機にも見舞われている。
OCHAによると、全体の4分の3以上(76%)の家庭が最低限必要な支援を受けられておらず、昨年より10%増加した。
報告書によると、人道支援を必要とする人々のうち、37%をシリア国内避難民が占めている。
またOCHAは、避難をせずにすんでいる人々や2021年1月以前に故郷に戻った人々の中にも、最低限必要な支援を受けられていない人が増えていると述べ、これは危機の規模が拡大していることの「表れ」であるとした。
OCHAによると、2021年には推定920万人もの弱い立場の住民が困窮している。
AFP通信