• ヨルダン川西岸地区での衝突で軍が催涙ガスと実弾を発射し、少なくとも150人が負傷した
• 複数の攻撃でパレスチナ人襲撃者がイスラエル人11人を殺害し、ここ数日緊張が高まっている

モハメド・ナジブ

ラマッラー：イスラエル軍は金曜日、ヨルダン川西岸の占領地ヘブロンで起きた衝突でパレスチナ人1人を射殺し、数十人を負傷させた。

パレスチナの医療関係者によると、土地の日の46周年を記念してヨルダン川西岸の数カ所で行われた集会で、パレスチナ人とイスラエル軍との間で激しい対立が発生した。

イスラエルの刑務所で6年間を過ごした元囚人のアフマド・アル・アトラシュ氏（28歳）が、胸部への銃創によりヘブロン政府病院で死亡したと、医師団が発表した。

パレスチナの若者たちはイスラエル軍に投石し、イスラエル軍は実弾、催涙ガス弾、音響爆弾で応戦した。

目撃者によると、軍は衝突を想定して、バブ・アル・ザウィヤ、アル・シュハダ通り、アル・シャララ通りを見下ろす地域に狙撃兵を配備していたという。

パレスチナ人団体は、4月2日にヘブロンで公式喪に服すことを呼びかけた。

イスラエルのウム・アル・ファームの町と北部の三角地帯では、パレスチナの旗を振る数十人のパレスチナの若者が抗議の行進に参加した。

赤新月社によると、ナブルス、ベイタ、ベイト・ダジャンでの対立で負傷した150人のパレスチナ人の中には、赤新月社の隊員も含まれている。

ベイタのマフムード・バルハム町長は、アラブニュースに対し、同町での衝突はここ数カ月で最も激しく、数百人の若者が巻き込まれ、少なくとも120人が負傷したと述べた。

ヨルダン川西岸の町カルキリヤでの集会では、子ども2人を含む9人の市民が実弾と催涙ガス弾で負傷した。

ファタハ運動の副指導者マフムード・アル・アロウル副議長を含む数十人の抗議者が、催涙ガスを吸引して治療を受けた。

その後、アロウル氏は「大衆的抵抗」は続くと誓った。

「我々の土地を犠牲にして目撃している入植地の拡大を踏まえると、それは我々の選択であり、そこから後戻りはできない」と彼は述べた。

パレスチナ解放機構（PLO）幹部のオサマ・アル・カワスミ氏は、アラブニュースにこう語った。「イスラエルのナフタリ・ベネット首相が、パレスチナ人を冷酷に殺害する道を開く決定を下したことは明らかだ」

アル・カワスミ氏は、ここ2日間わたる殺害を「現場処刑」と表現した。

パレスチナ人の殺害を「戦争犯罪」と称した同氏は、ベネット政権を「パレスチナ人の血を犠牲にして、イスラエル人を黙らせようとしている」と非難した。

イスラエルはこの地域を「行動と反動のサイクルに引きずり込んでおり、それは誰のためにも全くならない」とアル・カワスミ氏は言う。

「この暴力とエスカレーションの全責任を負うイスラエルによって殺されるパレスチナの人々を、誰も支配することはできない。ベネット氏がパレスチナ人を殺すことでイスラエルに安全がもたらされると考えているならば、それは妄想だ」

イスラエル軍の情報筋はアラブニュースに、イスラエル軍はラマダンの開始時に暴力がエスカレートする恐れがあるため、ここ数日で西岸に2つの大隊とガザ地区の横にもう2つの大隊を配備していることを認めた。

ラマッラー西部のビリンでの集会に参加した「パレスチナ・ナショナル・イニシアティブ」運動のムスタファ・バルグティ事務局長は、この抗議は「（イスラエルの）占領を終わらせ、人種差別的アパルトヘイト政権を崩壊させるための大衆的抵抗の段階的拡大」であると述べた。

さらに、「パレスチナの人々は、自由を獲得するために闘争と抵抗の道しかない」とも述べた。

バルグティ氏は、集会に外国人オブザーバーが参加したことにより、パレスチナの大義に対する国際的な関心が強調され、イスラエルへの世界的な制裁を強く求めるようパレスチナ人が励まされた、と話した。

イスラエル軍の情報筋はアラブニュースに、イスラエル軍はラマダンの開始時に暴力がエスカレートする恐れがあるため、ここ数日で西岸に2つの大隊とガザ地区の横にもう2つの大隊を配備していることを認めた。