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国連の専門家、バハイ教徒を拉致したフーシ派を非難、解放を求める

イエメンのサヌアで、バハイ教徒男性の裁判中であるフーシ派の裁判所の外でデモをするバハイ教徒たち。2016年4月3日(ロイター)
イエメンのサヌアで、バハイ教徒男性の裁判中であるフーシ派の裁判所の外でデモをするバハイ教徒たち。2016年4月3日(ロイター)
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21 Jun 2023 03:06:27 GMT9
21 Jun 2023 03:06:27 GMT9
  • 5月25日、武装し覆面をしたフーシ派がサヌアのバハイ教徒の集会を襲撃し、女性5人を含む全員の身柄を拘束した
  • フーシ派はバハイ教徒を拘束していることを正式に認めておらず、被害者らの親族やバハイ教徒からの、被害者らの居場所を明らかにしてほしいとの再三の求めを無視している

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー: 国連の専門家らは、フーシ派によって捕らえられた10人以上の少数派宗教・バハイ教徒のイエメン人が、拷問その他の人権侵害を受け、場合によっては殺害されている可能性が高いことに懸念を示した。

国連の宗教または信条の自由に関する特別報告者のナジラ・ガネア氏および超法規的、略式または恣意的処刑に関する特別報告者のモリス・ティドボール・ビンズ氏を含む専門家らは、フーシ派民兵組織による過去の人権侵害やフーシ派宗教家による近年の扇動的な説教を挙げ、拘束されたバハイ教徒は拘束者の下で極めて不当な扱いを受けている可能性があると警告した。

「行方不明となった人々は、拷問その他の人権侵害を受けている可能性が高く、過去の記録を鑑みるに、彼らの正当な権利行使に関連して死刑判決を受ける可能性さえあり、我々は懸念を表明するものである」と専門家らは述べ、拘束したバハイ教徒らを解放し、宗教的少数派を標的としないようフーシ派に求めた。

「4週間前サヌアでフーシ派民兵組織によって行方不明となり、未だに所在の分かっていない16人のバハイ教徒の安否に深い懸念を表明する。我々はイエメンの事実上の当局に、彼らを直ちに解放し、これ以上彼らに身体的・精神的な危害を加える行為を行わないよう求める」

5月25日、武装し覆面をしたフーシ派勢力がサヌアのバハイ教徒の集会を襲撃し、女性5人を含む全員の身柄を拘束した。

フーシ派はバハイ教徒を拘束していることを正式に認めておらず、被害者らの親族やバハイ教徒からの、被害者あrの居場所を明らかにし、または面会させてほしいとの再三の求めを無視している。

フーシ派民兵組織のメディア部門は、バハイ教徒はアメリカおよび世界のユダヤ人コミュニティの傀儡で、イスラム世界を弱体化させようとしているとして、バハイ教を日常的に批判している。

国連の専門家らは、フーシ派は自らの支配下にあるイエメン領域内の宗教的少数派を何年にもわたって迫害しており、バハイ教徒をその宗教に基づいた行為のかどで死刑判決を下した例もある、と述べた。

「ここ数年にわたって我々は、アンサール・アッラー運動(別名フーシ派)の支配下にあるイエメン領域において宗教的少数派を標的とする迫害の模様を示す侵害行為のパターンについて懸念を表明してきた」

専門家らによる声明は、フーシ派によるバハイ教徒およびその他の宗教的・政治的敵対者に対する不当な扱いを強く非難する最新の声だ。国連人権高等弁務官事務所、イエメン駐在の西側諸国の外交官複数名、および人権団体はフーシ派によるバハイ教徒を標的とした攻撃を非難し、今回の事件で拉致された人々の解放を求める声は大きい。

一方、フーシ派幹部らは19日、数年ぶりにハッジを行うためサウジアラビアへ赴いた。

軍事指導者であり交渉を代表するヤヒヤ・アブドゥラ・アル・ラザミ氏を含むフーシ派幹部の一団が、イフラームをまとい、イエメニアのジェッダ行きの便に搭乗する前、サヌアの空港で家族と友人に別れの挨拶をしているのが目撃された。

イエメニアはフーシ派の支配するサヌアからサウジアラビア諸都市への直通便を再開し、何百人ものイエメン人巡礼者がこれを利用している。

外交官らおよび観測筋は、サウジアラビアがハッジ用の航空便を支援し、フーシ派幹部の巡礼を許可したことについて、フーシ派とイエメン政府との間の和平合意を仲介しようとする最近の努力をより効果的にするための親善の意思表示であると見ている。

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