
ウクライナ、キーウ(キエフ):ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、火曜日に国連安全保障理事会で演説を行う。ブチャの町での殺戮を「戦争犯罪」「ジェノサイド(集団虐殺)」として、モスクワに新たな厳しい制裁を要求するとみられている。
同会合での演説は、ロシアの侵攻以来、ゼレンスキー氏にとって初めてのものとなる。大統領は演説に先立ち、数多くの遺体が発見されたロシア軍撤退後のブチャを訪れ、凄惨な現場を視察している。
路上に横たわる死体の中には両手を縛られたものもあり、その恐ろしい映像はロシアに対する国際的な非難を集めている。
モスクワは責任を否定している。画像はフェイクであるか、ロシア軍が撤退した後に発生したと主張している。
しかし、マクサー・テクノロジーズ社がロシア軍撤退前の3月中旬に新たに撮影した衛星写真には、後にウクライナ軍が発見し、ジャーナリストが目撃したのと同じ場所に遺体らしきものが写っていた。
ゼレンスキー氏は、月曜日、防護服を着てブチャで30分ほど滞在した。明らかに憔悴している様子の大統領は、殺害はロシア軍のせいだと非難した。
「これらは戦争犯罪であり、ジェノサイドとして世界に認識されるだろう」
その後、夜の演説で、「ロシアの民間人虐殺に対する制裁措置は、いよいよ強力にならざるを得ない」と述べた。
「しかし……一部のヨーロッパの指導者が、ロシア国家は最も厳しい圧力に値するとようやく理解するために、何百人もの我々の国民が苦しみながら死ななければならなかったのか?」と、同氏はテレグラムに投稿した動画で問いかけた。
彼はまた、より多くの装備があれば数千人を救うことができたと述べ、西側同盟国からの追加の武器を要求した。
「私はあなた方を責めてはいない――私はロシア軍だけを責めている」と彼は語った。「しかし、あなたたちは、助けることができたはずだ」
ウクライナの同盟国は、ブチャでの殺害を戦争犯罪と呼び、EUは証拠集めのための調査官派遣を申し出た。
ジョー・バイデン米大統領はホワイトハウスで記者団に対し、「戦争犯罪裁判を行うべきだ」と述べ、ロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪人だ」と非難した。
ホワイトハウスは、今週中にモスクワに対する新たな制裁措置を発表すると表明し、フランスは新たな措置としてロシアの石油と石炭の輸出を対象にする可能性を示唆した。
しかしドイツは、ロシアのガスを遮断するのは時期尚早だと警告した。
ドイツのクリスチャン・リンドナー財務相は、ロシアとの経済的関係をすべて断つ必要があるとしながらも、「しかし現時点では、ガスの供給を止めることは不可能であり、時間が必要だ」と続けた。
その他、米国と英国は、ロシアの国連人権理事会の資格停止を要請すると発表した。モスクワはこの動きを「信じられない」と一蹴した。
ロシアは、同国が「ブチャにおける、ウクライナ人過激派の凶悪な挑発行為」と称するものについて、国連安全保障理事会の開催を要求したが、理事会議長国である英国は、これまでのところ、この要求を拒否している。
ブチャや、ロシア軍が撤退した他の地域での殺害の全容は、まだ解明されていない。
月曜日には、ブチャの児童療養所の地下で5人の遺体が発見された。ウクライナ検察庁によると、彼らは非武装の市民で、ロシア軍に拘束され、殴られ、殺されたとのことだ。
また、キーウ西部にあるモティジンでは、ウクライナ警察がAFPの記者に、村長とその夫と息子を含む民間人5人の、手を縛られた遺体を見せた。
ウクライナ当局によると、キーウ周辺では400体以上の民間人の遺体が回収されており、今はその多くが集団墓地に安置されているという。
しかし、ゼレンスキー氏は、ブチャでの死は氷山の一角に過ぎないと警告している。郊外のボロディアンカなどではさらに多くの人々が殺されているとの情報を得ていると述べた。
AFPの記者が短期間訪れたところ、街中に死体はなかったが、地元の人々は多くの死者が出ていると報告した。
58歳のラフィク・アジモフ氏は、「5人の市民が殺されたことは知っている」と語った。「しかし、爆撃で破壊された建物の地下に、あと何人残っているかは分からない」
「6人を埋葬した」と、別の住民、ウォロディミール・ナホルニ氏は言った。「もっと多くの人が、廃墟の下にいる」
キーフからのロシア軍の撤退は、モスクワが分離主義国家周辺を強化しようとしている同国の南部と東部――クリミアとドネツク、ルガンスク――における、新たな攻勢への一環と見なされている。
ウクライナ政府は、モスクワが同国東部で「全面的な」攻撃を準備していると警告している。地方当局は、ロシアの大規模な攻撃を警戒し、ルガンスクから避難するよう市民を促した。
米国防総省は、ロシアがキーウ周辺の部隊の約3分の2を撤退させ、東部と南部に再配置すると推定している。ホワイトハウスは戦争の「次の段階は、数カ月かそれ以上続くだろう」と警告している。
ロシアの部隊が撤退した場所でも恐怖は残っている。キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、砲撃が続く危険性と不発弾の危険性から、自宅に戻るのは待つようにと住民に伝えている。
夜には、西部のリヴィウから南部のムィコラーイウまで、国中で空襲のサイレンが鳴り響いた。当局は月曜日、ロシアの爆撃で10人の市民が死亡、46人が負傷したと発表した。
ウクライナ軍参謀本部によると、空中で爆発し、数十個の小さな弾丸を広範囲に飛ばすクラスター爆弾が使用されたという。
2008年の国連条約で製造と使用が禁止されている武器であるが、ロシアやウクライナは署名をしていない。
ウクライナ軍によると、小児病院を含む住宅や医療施設などが銃撃された。
「子供を含む死者と負傷者が出ている」と軍は述べている。
南部の他の地域では、包囲された都市マリウポルに閉じ込められた市民への懸念が残っている。
ヴァディム・ボイチェンコ市長によると、90%が破壊された同市では、当局によると少なくとも5000人が死亡しているという。
市長は、約13万人の住民がまだ屋内に閉じ込められており、「絶え間ない」爆撃のため、避難のための努力は現在保留されていると述べた。
赤十字は月曜日、マリウポリから市民を避難させるために派遣したチームが、ロシア支配地域で警察に拘束されていると発表した。
ウクライナの推計によると、ロシアによる2月24日の侵攻以来、欧州において過去数十年間で最悪の紛争により、2万人もの人々が死亡している。
国連機関によると、420万人以上のウクライナ人が国外に脱出し、約650万人が国内避難民となっている。
AFP