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パレスチナ人がヨルダン川西岸地区の神殿を破壊、背景には緊張の高まり

占領下ヨルダン川西岸地区にあるパレスチナのジェニン難民キャンプの入口で燃やされるタイヤ。2022年4月9日撮影。(AFP)
占領下ヨルダン川西岸地区にあるパレスチナのジェニン難民キャンプの入口で燃やされるタイヤ。2022年4月9日撮影。(AFP)
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11 Apr 2022 02:04:52 GMT9
11 Apr 2022 02:04:52 GMT9
  • 今回の事態の背景には、イスラム教の聖なるラマダン月を迎え、イスラエル人とパレスチナ人の間の緊張が高まっていたことがある

テルアビブ:最近のパレスチナ人による一連の攻撃を受けイスラエル軍が活動を続けるヨルダン川西岸地区で、ユダヤ人に崇拝されている神殿にパレスチナ人が放火したと、イスラエル軍が日曜に述べた。

今回の事態の背景には、ユダヤ教とキリスト教の主要な祝日と重なるイスラム教の聖なる月「ラマダン」を迎え、イスラエル人とパレスチナ人の間の緊張が高まっていたことがある。昨年はこの祝日の前後に抗議運動が激化して緊張が高まり、11日間のガザ戦争へと発展した。

軍広報官のラン・コチャフ准将はイスラエル軍ラジオ局に対し、約100人のパレスチナ人が土曜遅くに現場に向かって行進し、暴動を起こして神殿に放火した後、パレスチナ治安部隊によって追い散らされたと語った。ソーシャルメディア上の画像には、神殿内の墓の一部が破壊され、黒焦げになっている様子が写されていた。

今回の暴動の発火点となったのは、ヨルダン川西岸地区の都市ナブルスで祈りの場となっているヨセフの墓である。一部のユダヤ教徒は聖書の人物ヨセフが墓に埋葬されていると信じている一方で、イスラム教徒はアラブの首長の埋葬地であると言っている。軍はパレスチナの治安部隊と連携し、年に数回、ユダヤ人礼拝者をこの場所に案内している。

この事件を、イスラエルのベニー・ガンツ国防相が非難した。

「ヨセフの墓の破壊行為は由々しき出来事であり、すべてのユダヤ人にとって最も神聖な場所の一つにおける礼拝の自由を著しく侵害するものだ」と、同国防相はツイートした。

この破壊行為は、イスラエル軍がジェニンとその周辺地域で活動を続けている最中に起こった。ジェニンには、ここ数週間に発生し死者を出した、イスラエル人に対する一連の攻撃の犯人のうち2人が住んでいた。

土曜には犯人の1人の故郷への襲撃が勃発し、占領下のヨルダン川西岸地区における銃撃戦へと発展して、少なくともパレスチナ人過激派1人が死亡した。

軍のコチャフ報道官は、ヨルダン川西岸地区の部隊が、逮捕、情報収集、および犯人の家の取り壊しの準備を行っていると述べ、「イスラエル国民に危害を加えようとする者は、誰であっても捕まえる」と、軍ラジオ局に語った。

軍の声明によると、犯人の1人が住んでいたヤバド村で部隊が活動していたところ、「激しい暴動」が勃発したという。爆発物を投げつけたパレスチナ人1人を部隊が「制圧」したというが、このパレスチナ人の状態は明確にされなかった。

ジェニンはパレスチナ人過激派の本拠地と考えられている。イスラエル軍はこの地域で活動する際に、しばしば銃撃にさらされる。占領下にあるヨルダン川西岸地区の一部を管轄し、治安に関してイスラエルと調整を行うパレスチナ自治政府でさえ、ほとんど統制が取れていないように見える。

イスラエルはラマダン期間中、パレスチナ人に対する一部の制限を緩和していたが、土曜にはジェニンとその住民に対する制限を強化し、イスラエルで働く労働者を除くすべての住民に部分的なロックダウンを課している。

ここ数週間で起こった4度の攻撃で12人以上が死亡しており、イスラエル人に対する暴力の爆発としては、ここ数年で最も死者が多いものの1つとなっている。

AP

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