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ラマダン期間中、緊張状態が戻ってくるまでヘブロンでは商業が上向きに

分断されたヨルダン川西岸地区のヘブロンの昔からの市場の路地にて、商品を閲覧するパレスチナ人男性と、そこに通り掛かった女性。(AFPファイル写真)
分断されたヨルダン川西岸地区のヘブロンの昔からの市場の路地にて、商品を閲覧するパレスチナ人男性と、そこに通り掛かった女性。(AFPファイル写真)
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26 Apr 2022 07:04:05 GMT9
26 Apr 2022 07:04:05 GMT9
  • パレスチナ人たちは、オールドシティでのイスラエル人の行動をアパルトヘイトだと表現

ハゼム・バルーシャ

ヘブロン:ヘブロンのオールドシティでは、営業を停止していた店舗が客のために店を開け、喜びと安堵が生まれている。

アブ・ハテム・アルジブレニさんは、ヘブロンの住民が市場の狭い路地で買い物ができるようになったことを喜んでいる。

「ラマダンには神からの善き計らいの他にも数多くの恩恵があります。オールドシティの各通りでの売買が増え、買う側と売る側どちらにも利益をもたらします」。87歳のアルジブラニさんはアラブニュースに対してそう話す。

ヘブロンのオールドシティの住民たちは、通りを遮断するなどの嫌がらせをイスラエル人たちから受けて店舗が営業を停止し、損失を被ってきた。 

アルジブラニさんは子どもの頃から父親の店で様々な商品を売ってきた。アルジブラニさんの店は現代的な都市型店舗に比べて商品を低価格で販売している。「私たちは長年にわたって苦しんできました。イスラエル人たちの規制を受けて市場から客がいなくなり、多くの店舗が営業を停止しました」。アルジブラニさんはそう語る。

ヘブロンの住民たちは市場の通りに客の姿を見て安堵し、ラマダンの月によって「生活が戻ってきた」と感じたという。

「売り買いということに関わらず、人々の姿が見られてとても幸せです。毎年ラマダンの時期には、この古い街に活気が戻ってきます」。オールドシティに住む32歳のムハマド・アルファクーリさんはそう話す。

さらにアルファクーリさんは次のように語る。「一年を通してオールドシティの外に暮らす住民たちがここにやって来られないのは残念ですが、ラマダン期間中はその光景が全く違ったものになります。その月の特に最初の数日は、まるで生命が生まれ変わったかのようです」

パレスチナ人たちはイスラエル人たちの行動をアパルトヘイトだと表現する。多くの通りは完全に入植者専用となっており、パレスチナ人はその区域への立ち入りを禁じられている。パレスチナ人の立ち入りが認められていても運転が禁じられている通りや、パレスチナ人の運転が認められていても区域外に出ることが禁じられている通りもある。

ヘブロンには住民が自宅のドアを使えない状態にさせられている住居があり、彼らは窓をドアとして使ったり、新たにドアを設置したりといった対応を取っている。住居の出入りに関してそういった対応が取れない住民は、近隣住宅の屋根を伝って移動し、自宅を出入りしている。

住民以外のパレスチナ人は立ち入ることができない、つまり外部から人が入ってくることができない地域や、ゲートや物理的な検問を通過しなければ外部からの立ち入りができない地域などもある。

ノルウェー難民評議会の2019年の推定によると、過去25年間の軍令下での店舗閉鎖による直接・間接的損失は、合計で4億8,500万ドルに上るという。つまり、ヘブロンのオールドシティでは一カ月あたり160万ドルの損失が発生しているという計算になる。

ヘブロン、特にオールドシティ地域では、この数日間のエルサレムでの衝突により緊張が高まっており、オールドシティの市場は商業の動きが再び鈍っている。

「ラマダン開始当初は客足が伸びていましたが、最近の緊張の高まりによって人の往来が減ってしまいました。ラマダン月の間は平穏が続いて商いが復調することを願っていましたが、残念ながら平穏は続きませんでした」。44歳のアブ・ラミ・シダーさんはアラブニュースに対してそう話す。

スイーツ店を営むシダーさんは、毎年ラマダンの月はオールドシティでの買い物によって全員が恩恵を受けられるチャンスなのだと考えている。

「ラマダンになると値段が上がる他のどの地域よりも、ここの商品は低価格です。オールドシティに来て買い物をしてもらえるように、ここでは商品の値上げをせず、むしろ値下げしています」。シダーさんはそう語った。

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