アラブニュース
ロンドン。欧州連合(EU)は、欧州投資銀行との計画において、ガザの経済発展のために600億ユーロ(625億8000万ドル)を拠出する。
この計画は、ヨルダン川西岸地区を含む広範な投資戦略の一環であり、EU大使の訪問中に、ジェルソミーナ・ヴィリオッティEIB副総裁とスヴェン・クーン・フォン・ブルグスドルフEU代表が発表した。
この資金は、パレスチナ通貨庁の最重要計画であるエスティマダ復興計画を通じて、ガザ地区の企業に事業融資や、ポートフォリオ保証、インセンティブ助成金の形で提供され、中小企業や新興企業を支援することになる。
パレスチナ通貨庁の代表であるラファット・アル・アラジ博士は、次のように述べている。「ここガザで、起業家や企業の資金調達を改善することは、雇用を創出し、経済の回復力を強化し、民間部門の投資を増加させるために極めて重要です。パレスチナ通貨庁と、欧州投資銀行、および欧州連合の新たな協力関係は、投資を大きく変化させ、若い起業家に向けた融資を実現し、地元企業が新たなビジネスチャンスを活用できるよう支援するものです」
また、ヴィリオッティ氏は次のように述べている。「欧州投資銀行は、ここガザでの民間部門の投資を支援し、地元銀行との新たな信用供与枠を確保することによって、起業家の資金調達を改善し、経済の回復力を強化するための投資を実現することに尽力しています。ガザの企業や起業家は、パレスチナ金融持続性計画の下、5000万ドルの新規融資と1300万ユーロの特別支援策といった恩恵を受けることになります。これは、欧州投資銀行による、ガザの企業投資に向けた初めての支援となります」
クーン・フォン・ブルグスドルフ氏は、イスラエルとの関係や新型コロナウイルス感染症の大流行によって悪化したガザの経済的苦境を考えると、この経済支援は極めて重要であると指摘している。そして、彼は次のようにも述べた。
「近年ガザは、新型コロナウイルスによる経済的影響や、昨年5月の戦闘、現在の食料・エネルギー価格の急上昇などに見舞われ、困難な時を過ごしています。我々が本日発表する構想は、ガザ地区全体の経済的回復と復興活動を支援するものです」
EU代表団は、6日間の日程で、欧州とガザ地区からの多数のビジネスパートナーや政治的パートナーとともに訪問した。
日曜日には、ヴィリオッティ氏と欧州投資銀行のヴェルナー・ホイヤー総裁が、ヨルダン川西岸とガザ地区における同銀行初の常設事務所を正式に開設する予定である。