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原油価格、減産が始まるにつれ上昇

2017年10月6日、日没時のフランス・ストラスブール近郊シャイベンハルト郊外の石油掘削装置。(ロイター)
2017年10月6日、日没時のフランス・ストラスブール近郊シャイベンハルト郊外の石油掘削装置。(ロイター)
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16 May 2020 07:05:47 GMT9
16 May 2020 07:05:47 GMT9

フランク・ケイン

ドバイ:国際的原油価格は、パンデミックによる需要の落ち込みに対し原油市場の再調整へのさらなる大きなコミットメントがなされた後、高値で週を終えた。

世界的なベンチマークであるブレント原油は欧州取引で30ドル超えを維持し、32ドル弱でその日の取引を終えた。3日連続の上昇となった。

米国の基準であるウェスト・テキサス・インターナショナル(WTI)は4.4%上昇して30ドル弱に達し、来週の6月渡しの契約満了に伴い再びマイナス域に突入する懸念を和らげた。

この石油価格の持続的な回復は、復活したOPEC+合意において、サウジ・ロシアが率いた記録的な日量970万バレルよりもさらに大きな削減へのコミットメントが原産国間でなされてから1週間後にもたらされた。

サウジは先週、追加の日量100万バレルの自主減産を約束し、クウェートとアラブ首長国連邦もそれよりは少ない減産量でそれに続いた。

湾岸石油市場において比較的小さな産油国であるオマーンは昨日、独自の減産で加勢し、6月から最大日量15,000 バレルの減産を約束した。

国際エネルギー機関(IEA)は、石油供給が今月9年ぶりの低水準に落ち込み、日量1,200万バレル減少の約日量8,800万バレルになると算出した。

「市場の勢力がその力を実証し、低価格の痛みがすべての生産国に及ぶことを示したのは供給側です」と、IEAは述べた。

サウジアラビアの日量400万バレルを超える減産は、各国の中でも最大となり、その後をロシアが続く。高コストのシェール事業が縮小され、一部の生産者が破産を申請する中、米国は独自のより緩やかな減産を行っている。

石油需要のほうが構図の中でより不確実な要素である。一部のアナリストは、世界の消費量の約3分の1に当たる日量3,000万バレルもの需要が先月のロックダウンの最盛期に失われたと述べた。

IEAは、この一年の需要の減少は、エネルギー産業にとってこれまでで最も深刻であるものの、当初の予想よりは小さいかもしれないと述べた。今年の総需要は、昨年の1億バレルより少ない9,120万バレルと算出している。

一部の専門家は、回復が予想よりも速くなる可能性があると考えている。米国のエネルギーコンサルタント会社IHS Markit社の金融サービス担当バイスプレジデント、ロジャー・ディワンは、来年後半までに需要はほぼ完全に補われる可能性があると述べた。

「今は理解しにくいかもしれません。しかし、パンデミックの第二の波が避けられれば、コロナ禍以前の需要はほぼすべて2021年後半までに戻る可能性があります。そうなった場合、供給破壊により需要回復に追いつくための供給能力が妨げられるため、中期的には市場の圧迫につながる可能性さえあります」

「しかし、確実性がある程度回復するまで原油価格の回復への道は間違いなく途切れ途切れとなり、引き締めと緩和の繰り返しと売りのサイクルに悩まされるだろう」と彼は付け加えた。

サウジアラビアは世界的な「スイングプロデューサー」(生産調整国)として、どんな好転からも利を得るであろう。サウジのエネルギー省は先週、2つの新しい油田の発見を発表し、地質調査が完了次第詳細が発表される予定である。

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