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ハマスはルビコン川を渡った。次になにが起こるのか?

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08 Oct 2023 02:10:47 GMT9
08 Oct 2023 02:10:47 GMT9

イスラエル・パレスチナの対立の大規模なエスカレーションは、同時に多くのメッセージを放っている。まず注目すべきは、ハマスによるこのような規模の攻撃は、数カ月にわたる計画を要するということだ。実際、これこそまさに、継続的に行われている占領とパレスチナ人の権利の剥奪が引き起こす結果として警告されてきた「爆発」なのである。攻撃はいわれのないものだと主張する人々は間違っている。これは、現イスラエル政府による意図的で体系的な威嚇の中でさらに追い打ちをかけられた人々が起こす、予測可能な反応である。

だからといって、民間人の殺害や誘拐が正当化されるのだろうか?もちろん、許されるものではない。実行するのが悪人であれ、被害者側であれ、それは変わらない。

では、次になにが起こるのか?

最近の歴史を考えれば、その結果はほぼ予想がつく。イスラエルは自らを守る権利を主張し、全面戦争を宣言、報復として最大限の苦痛を与えるだろう。ハマス側は、結果がどうであれ、勝利を宣言するだろう。多くのパレスチナ人は、イスラエル人が逃げ惑い、兵士が拘束される映像が映し出す、今までにない初期の成功を祝うだろう。しかしその直後、同じパレスチナ人がイスラエル軍の兵士、戦車、航空機によって壊滅的な被害を被ることになるのだ。

このエスカレーションによって、パワーバランスに何らかの変化はあるのだろうか?捕虜になった兵士の数を考えれば、ハマスに若干の交渉材料を提供することにはなるだろう。また、このような作戦がソーシャルメディアでこれほど広く共有されたのは初めてのことなので、組織メンバーの士気も高まる。しかし、現実的な変化は起こらないだろう。というのも、ハマスには、世界で18番目に強い軍隊を相手に膠着状態を維持する手段がない。米国は、イスラエルに対する全面的なサポートを宣言したばかりだ。

イスラエルの継続的な占領と脅迫は、ハマスの攻撃の原因として非難されるべきである。しかし、パレスチナ人にとっては、この攻撃が引き起こすデメリットがメリットを上回っているように見える。

ファイサル・J・アッバス|編集長

では、今回の攻撃は「パレスチナのことは我々だけで決める」と国際社会に訴えることを狙ったハマスの戦略的な動きなのだろうか?その可能性はある。結局のところ、パレスチナ自治政府(PA)がパレスチナ人の正当な代表であることは事実だが、ハマスに比べれば、その影響力は常に限られている。世界の破綻国家を見てみると、ハマスやレバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派のような、非合法な武装勢力が常に優位に立つという不幸な現実がある。一方、PAは、パレスチナ内部のさらなる摩擦を避けるため、ハマスに協力するしかない。その結果PAは世界から、さらに弱体化した組織だとみなされるだけだ。

しかし、ハマスが行った最も新しい攻撃よって、同組織が被るデメリットもある。それは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に、イスラエル軍のメンバーでさえ反対を表明していた内政の混乱という貴重な瞬間に、そこから抜け出す道を与えたことだ。イスラエルを守り、誘拐された兵士や民間人を救出するための本格的な戦争なのだから、まさに「総力戦」だ。また、世界がネタニヤフ首相の右派連合を説得し、和平提案を促そうとしているときに、政権の力を強化してしまうことになる。

この後、ハマスが強くなるのか、弱くなるのか。今回、彼らはルビコン川を渡った。イスラエルはすでに手加減なしの構えを見せている。エスカレートの度合いを考えれば、米国や欧州の、ネタニヤフ首相の右派政権に反対する人々でさえ、同政権に自制を求めることに消極的になるだろう。言い換えれば、ハマスにとってはこれからが大変な時期であり、不幸にも、その代償を払うのは一般のパレスチナ人なのだ。

今回の出来事は、より広範な地域の和平提案の見通しにどのような影響を及ぼすのだろうか?それに対する短い答えは「時間が解決してくれる」だ。しかし、私見では、世界は今こそ加速するときだ。サウジアラビア外務省の声明が明確に示しているように、国際社会は、民間人を保護する最善の手段である二国家解決を可能にする、信頼できる和平案を実現するために、今すぐ行動しなければならない。「言うは易く行うは難し」?その通りだ。しかし、少なくともサウジアラビアは何十年わたってベストを尽くしてきたと言うことができる。

  • ファイサル・J・アッバスはアラブニュースの編集長である。 X: @FaisalJAbbas

 

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