
ガザ市:パレスチナは15日、イスラエル建国後のナクバから74年の記念日を迎え、集会が開かれた。殺害されたパレスチナ系米国人ジャーナリスト・シリーン・アブアクラさんの葬儀での警察による襲撃に対する非難が広がっている。
ソーシャルメディアは、1948年当時の移住の話や、ナクバを記念して帰還の権利を訴える投稿であふれていた。
アブアクラさん(51)の殺害や、先月のラマダン期間中の一連の軍事衝突、その後のイスラエル軍によるパレスチナの都市への侵攻で緊張が高まる中、ヨルダン川西岸およびガザ地区のパレスチナの全ての都市で毎年恒例のデモが行われた。
偉大なるパレスチナ国民は敗北することも、その意志をくじかれることもない。ただ単に、彼らには間違った物語によって消し去られない権利と正当な理由があるからだ。
マフムード・アッバース・パレスチナ大統領
ハマスと脅迫しあったにもかかわらず、イスラエルは15日、ガザ地区との唯一の検問所を、騒乱で閉鎖してから約2週間後にパレスチナ人労働者に向けて再開した。
マフムード・アッバース・パレスチナ大統領
パレスチナのマフムード・アッバース大統領は14日夜、ナクバを記念する演説をラマッラーから行った。
「占領による困難や問題、凶悪犯罪があったとしても、(土地に)とどまることが、ナクバに対する、そして民族浄化、入植、ユダヤ化という考え方に対する最善の対応だ」と大統領は述べた。
アッバース大統領はこう付け加えた。「偉大なるパレスチナ国民は敗北することも、その意志をくじかれることもない。ただ単に、彼らには間違った物語によって消し去られない権利と正当な理由があるからだ」
ヨルダン川西岸にあるイスラエルの入植地に新しい住宅を建てるというイスラエルの発表をパレスチナが非難する中、ナクバの記念日は訪れた。
ガザ、ラマッラー両市のパレスチナ派閥と民衆難民委員会は、ナクバを記念する2つの主要な行進を準備した。
イベントでは「74年にわたる不正と二重基準はもうたくさん」というスローガンのもと、パレスチナの旗が掲げられた。
ラマッラーの行進には数千人が参加し、ヤセル・アラファト元パレスチナ大統領の墓所を出発し、市の中心部に向かって進んだ。
ガザの行進は、アル・カティバ広場から出発し、国連のガザ支部に向かって進んだ。
ハマスはこの日を記念する声明を発表した。
「我々の土地、我々の聖域を少しでも占領することに正当性はなく、我々は解放され帰還するまで、包括的で困難な道を歩んでいく」
声明はこう補足されていた。「我々の土地が占領され、国民が移住させられてから74年、その暗い歴史を通して敵はあらゆる虐殺や犯罪を行ったにもかかわらず、世界で最も長く続く占領の中で、パレスチナ国民は今も自分たちの土地で断固たる態度を取り、自分たちの権利を堅持し……勇敢・犠牲・忍耐・ジハードの最高の例としての役割を果たしている」
パレスチナ通信(WAFA)が発表した統計によると、1948年に約80万人のパレスチナ人が移住した後、ヨルダン川西岸、ガザ地区、エルサレムに住むパレスチナ人の数は500万人を超えたが、イスラエル軍はその時から約10万人のパレスチナ人を殺害してきた。