
アンカラ:報道機関が報じたところによると、トルコの支援を受けたシリアの反政府勢力が、ベテランの司令官ハリファ・ハフタル氏との戦闘においてリビア政府を支援するために派遣される。
トルコと密接な関係があり、主にシリアでトルコ軍と共に戦った戦士が派兵されることになる。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は今週初め、国会はリビアへの軍隊派遣動議に対する採決を1月初旬に行なうと発表した。
この表決は、トリポリに本拠を置く国民合意政府(GNA)に対し安全保障や軍事協力協定、海上国境画定協定を通じた支援を目指すトルコ政府の最近の関与を継続するものである。
リビア派遣武装集団のなかにはスルタン・ムラド師団、スクール・アル=シャム旅団、フェイラク・アル=シャムが含まれると報告されているが、シリア暫定政府は内戦中に政府軍と戦った軍隊を派遣するいかなる可能性も否定している。
だがこうした武将集団からの戦士の配備はすぐにでも実行可能であり、国会の承認も必要としない。
英国に本拠を置くシリア人権監視団は、トルコの支援を受けるシリアの反政府勢力がアレッポにリクルートメントセンターを開設し、最高2,000ドルの月収でリビア西部に若者を派遣しようとしていると述べた。一方ロシアのメディアは、トルコはすでに7,000人の戦士をリビアに派兵したと報告している。
「これまでの戦争の影響が悪夢だったとしたら、これが確認されれば、これからはさらに悪化することになるだろう」と中東研究所のリビア担当アナリストであるEmadeddin Badi氏がツイートした。「TFSA(トルコの支援を受ける自由シリア軍) やシリア・トルクメン旅団のスルタン・ムラド師団は、シリア北部のクルド人に対するひどい戦争犯罪を(トルコの攻撃の一環として)招いた軍団だ。 これらの部隊がリビアに配備されれば、ハフタル氏の攻撃を止められるかもしれないが、これによりどんな犠牲を払うことになるのか? これは完全に回避可能な結果だった」
この地域におけるトルコの存在にはいくつかのリスクが伴う。そしてそれは外交的なリスクだけではない。リビア東部の軍事組織は先週、リビア西部のミスラタ港行きのトルコ船を迎撃した。
トルコの元外交官でイスタンブールに本拠を置く経済・外交政策研究センターの議長を務めるシナン・ウルゲン氏は、トルコの動きはトルコ人死傷者の数を抑えるためのものだと語った。
「政府はトルコの支援の目的は顧問的な役割に限るものと宣言していますから、トルコは自国の軍隊を戦闘に直接関与させたくないのです」とウルゲン氏はアラブニュースに語った。「ですがリビアにおける現地の事態を考えますと、トリポリ政府はプレッシャーにさらされていますから、派兵を追加する必要があるのです」
トルコ政府は、リビア政府に対する支援は外国戦士や顧問としてのトルコ軍隊員、あるいは標的を絞った特別作戦への配備というかたちで提供できると考えているとウルゲン氏は付け加えた。
「トルコの動きがハフタルを支持する国々、特にエジプトによる新たな報復につながるのは確かだと思います。トルコのこれまで以上に明白な軍事関与を受け、他の国々もハフタル側への軍事支援を増やすリスクがあり、これが紛争をエスカレートさせる可能性があります」
このトルコのシリア・アセットをリビアに派遣するプロセスが、1月8日のエルドアン大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領との会談を控えた今後数日間にどう展開していくかは不明だ。
ロシアはリビア内政に対する部外者のいかなる干渉にも反対している、とプーチン大統領の報道官が今週記者団に語ったが、ロシアはリビア危機の解決の試みも歓迎するとした。
ワシントン近東政策研究所の上級研究員であるベン・フィッシュマン氏は、傭兵部隊を別の傭兵部隊で対抗させるのは大きな間違いだと言った。
「トルコがGNAを支援したいのなら、まず外交によって支援すべきであり、必要であればトルコ軍の部隊を抑止力として派遣すればよいのです」とフィッシュマン氏はアラブニュースに語った。