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イランがギリシャのタンカー2隻の押収を発表、アテネが「海賊行為」に抗議

2022年5月27日、ギリシャのエーゲ海エヴィア島のカリストス港沖で、他の船舶に囲まれる石油タンカーのペガス号。(AP)
2022年5月27日、ギリシャのエーゲ海エヴィア島のカリストス港沖で、他の船舶に囲まれる石油タンカーのペガス号。(AP)
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28 May 2022 03:05:11 GMT9
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  • イランの革命防衛隊は、タンカーを詳細不明の違反行為で非難した
  • ギリシャ外務省は、イラン当局が「海賊行為」として船を2隻「暴力的に奪取」したと発表した。

ドバイ/アテネ:イラン国営メディアは、イラン部隊が2022年5月26日木曜日、湾岸でギリシャのタンカー2隻を押収したと報じた。ギリシャ沖で米国が押収したイラン産原油をめぐり、アテネに対して「制裁措置」を取るとイラン政府が警告した直後である。

国営イラン通信(IRNA)によれば、「革命防衛隊は本日、湾岸海域での違反行為によりギリシャのタンカー2隻を拿捕した」と革命防衛隊が声明を述べた。

また、違反内容については、それ以上の詳細の発表や言及はなされていない。

ギリシャ外務省は、アラビア湾での「ギリシャ船籍の船舶2隻の暴力的な奪取」に関して、アテネのイラン大使に強く抗議したと発表した。

ギリシャ外務省は声明で、「こうした行為は海賊行為に等しい」と述べ、ギリシャ国民にイランへの渡航を控えるよう警告した。

同省は、船舶と乗組員の即時解放を求め、こうした行為は二国間関係およびギリシャが加盟しているEUとイランの関係において「極めてネガティブな結果」をもたらすと述べた。

同省の声明によれば、金曜日未明、イランのヘリコプターが、イラン沿岸から約22海里の国際水域でギリシャ船籍のデルタ・ポセイドン号に着陸したとのことである。

「その後、武装した集団が乗組員を拘束した」とし、乗組員の中にギリシャ人2名が含まれていると付け加えた。

「イラン沿岸でギリシャ人7人を乗せたギリシャ船籍の別の船で同様の事案が報告されている」と同省は述べている。

また、そのうちの1隻はデルタ・ポセイドン号であると同省は付け加えた一方、アテネに本社を置くポレンブロ・シッピング社の広報担当者は、2隻目のタンカーを「プルーデント・ウォリアー(賢明な戦士)」と発表した。

ギリシャ政府当局は、ジャーナリストに匿名を条件に、2隻目の船をプルーデント・ウォリアー号であると明らかにした。その所有者である前述のギリシャのポレンブロ・シッピング社は、同社が「状況に効果的に対処するため当局と協力し、あらゆる努力を行っている」と述べた。

同省は、2隻の乗組員にギリシャ人9人が含まれていると発表したが、他の乗組員の数は明らかにしていない。

米国国防当局者が匿名を条件に述べたところによれば、金曜日にイラン領海に漂着する前に、2隻の船はイラン領海に近づいたようだが、イラン領海には入らなかった。この2隻は追跡装置も切っており、これも危険信号である。しかし、どちらも救難信号や救助要請は出していなかったという。

イランは、ギリシャ海域での米国によるイランの石油タンカー押収にギリシャ政府が関与しているとして、「制裁措置」を取ると金曜日未明に脅していた。

イランの安全保障評議会に近しいウェブサイトのヌールニュースは、海運ニュースサイトのロイズリストが、アラビア湾でギリシャのタンカー2隻が押収されたとの見方を示した直後に、この脅迫を行った。ロイズリストは、匿名の業界関係者の話を引用し、2022 の午後にイラン部隊のヘリコプターが接近した後、2隻の船がイラン部隊に乗り込まれたと報じた。この2隻のタンカーは、イラク産の原油を積み込んだばかりだったという。

ギリシャ当局は先月、EUの制裁により、19人のロシア人乗組員を乗せたイラン船籍のペガス号を南部エヴィア島の沿岸付近で押収した。

ロイターが2022年5月26日木曜日に報じたところによると、米国政府はその後、船上で保有していたイランの石油貨物を没収し、別の船で米国に送る計画であるという。

その後、所有者をめぐる制裁の混乱から、ペガス号は釈放された。

ペガス号は、ロシアのウクライナ侵攻の2日前にあたる2月22日に、ロシアの防衛セクターにとって非常に重要とみなされるプロムスビアズ銀行に対する制裁のために、米国政府が制裁対象に指定した5隻の船舶のうちの1隻であった。

この貨物が押収されたのは、イランの石油であるためなのか、それともロシアとのつながりを理由にしたタンカーへの制裁措置のためなのかは不明である。イランとロシアは、米国によるそれぞれ別の制裁に直面している。

また金曜日にイランは、ペガス号の原油押収に抗議するため、テヘランで米国の利益を代表するスイスの特使を召喚したと、イラン外務省が発表した。

国営メディアは外務省の発表を引用し、「イスラム共和国は、米国政府が国際法および国際海事条約に違反し続けていることに対して深い懸念を表明した」と述べた。

米国司法省の報道官は、今回の原油の押収についてコメントを控えた。

IRNAは、イランの港湾海事局の発表を引用し、タンカーは技術的な問題と悪天候に見舞われた後、ギリシャ沿岸に避難した、と述べている。IRNAは積荷の押収を「海賊行為の明らかな例」と呼んでいる。

米国は2022年5月25日水曜日 、イラン革命防衛隊のコドス部隊のための原油密輸とマネーロンダリングのネットワークがロシアに支援を受けているとし、制裁を課した

2019年、イランは、英国軍がジブラルタル付近でイランのタンカーを拘留した2週間後に、EUの制裁に違反してシリアに原油を輸送したとして非難し、ホルムズ海峡近海で英国のタンカーを押収した。2隻とも後に釈放された。

(ロイター、AP、AFP調べ)

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