
エルサレム:パレスチナ保健省は、占領下にあるヨルダン川西岸地区のベツレヘム近郊の町で作戦中に、イスラエル軍が10代の若者を銃撃、殺害したと発表した。
同省は、殺害されたザイド・グナイム君(15)の身元を確認した。イスラエル軍の銃撃で首と背中を負傷し、医師らによる救命処置も功を奏しなかったという。
この死によって、ヨルダン川西岸でのイスラエル軍の軍事活動中に殺害されたパレスチナの若者の数は、1カ月で5人になった。ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区でほぼ毎日行われている急襲による逮捕や、イスラム教徒とユダヤ教徒の両方にとって神聖なエルサレムの聖地周辺の緊張などによりイスラエル・パレスチナ間の戦闘はここ数週間激しさを増している。
パレスチナの公式通信社Wafaは、グナイム君がアル・カデルで兵士に遭遇し、逃げようとしたが、兵士が彼に発砲したとする目撃者情報を伝えた。銃撃直後の映像とされるオンライン上の動画には、通路に停車していた白い車の近くに血痕が残っているのが映し出されている。
イスラエル軍は直ちに声明を発表していない。イスラエル国内での一連の殺傷事件を受けてイスラエル軍はヨルダン川西岸での軍事活動を強化している。
パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、イスラエル軍はグナイム君を殺すつもりで「故意に」撃ったと述べた。
日曜日にイスラエル人の超国家主義者らが、エルサレム旧市街のムスリム地区の主要な大通りを行進する予定である。その地区内には、イスラム教で3番目に神聖な場所であるアル・アクサモスクがある。丘の上にあるこの場所は、ユダヤ教徒にも同じく最も神聖な場所であり、ユダヤ教徒はこの場所を「神殿の丘」と呼んでいる。
この行進は、1967年の中東戦争でイスラエルが東エルサレムを占領したことを祝うもの。イスラエルはその後、同地区を併合したが、その措置は国際的に承認されていない。パレスチナ人は、東エルサレムを将来樹立する国家の首都と主張している。
AP