
米国が支援するシリア民主軍(SDF)の司令官は、2日、トルコが警告しているシリア北部での新たな攻勢は、人道危機を引き起こし、ダーイシュに対する作戦を台無しにすると述べた。
SDFのマズルーム・アブディ総司令官は、全ての当事者に「新たな悲劇を防ぎ、緊張緩和を支援する」よう呼びかけた。
「我々は、シリア北部に高いリスクをもたらすトルコの新たな脅迫について懸念している。いかなる攻撃もシリア人を分断し、新たな人道危機を引き起こし、元々の住民を追いやることになる」と、同司令官はツイッターに投稿した。
We are concerned about new Turkish threats which pose high risk on northern Syria. Any offensive will divide Syrians, create a new humanitarian crisis, and displace original inhabitants and IDPs. New escalation will also negatively affect our campaign against ISIS.
— Mazloum Abdî مظلوم عبدي (@MazloumAbdi) June 2, 2022
トルコは、トルコ国境の北部一帯を支配するSDFの先陣部隊であるシリアのクルド人民兵組織YPGに対して、新たな軍事侵攻を開始すると宣言している。
トルコはクルド人が率いるシリアの部隊をテロリストであり、国家安全保障上の脅威であるとみなしている一方、米国はSDFをシリアの広大な地域からダーイシュを追い出すのに貢献した主要なパートナーとみなしている。
タイイップ・エルドアン大統領は1日、トルコはシリア北部のタル・リファートとマンビジュ地域からテロリストを排除すると述べ、新たな侵攻の標的を初めて確認し、これを他の地域へと続けて行くと述べた。
トルコ政府は2016年以降、シリア北部で4度の作戦を実施し、主にYPGを標的としながら、数百キロメートルの土地を占領し、国内約30キロメートルまで侵攻した。
米国政府は、シリア北部での新たな攻勢について、米軍を危険に晒し、地域の安定を損なうとして、懸念を表明している。
ロイター