

ダマスカス:シリアのダマスカス空港で修復作業が開始された。同空港は、イスラエルの空爆後2日目となる土曜日も閉鎖されていた。シリア運輸省が発表した。
同省は声明で、空爆後、滑走路が著しい損傷を受けて利用できなくなっていると発表した。
2011年にシリアで内戦が始まって以来、イスラエルは隣国であるシリアに数百回の空爆を行い、政府軍だけでなく、イランが支援する連合軍やレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの戦闘員も標的にしてきた。
しかし、そうした空爆で航空便の運航に大きな支障が出ることはめったになかった。
「民間航空会社と国営企業は、空港の著しい損傷の修復作業を行っている」と同省は発表した。
国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、イスラエルの空爆で民間人1人が負傷した。
戦争を監視するシリア人権監視団によると、10日未明に行われたミサイル攻撃は、滑走路1本と、同空港の近くにある兵器庫3カ所に命中した。兵器庫はヒズボラや、イランが支援するその他の組織のものだ。
シリア国内に情報源を持っている同監視団は、この空爆による負傷者数は不明だと発表した。
同監視団によると、損傷を受けた滑走路は現在使用可能な唯一の滑走路だ。もう一つの滑走路は、昨年のイスラエルの空爆で使用不能になっている。
イスラエル企業「ISI」がツイッターに投稿した衛星写真には、「(空爆による)軍民両用滑走路の大きな損傷」と同社が呼ぶ3つの別々の場所が写っていた。
ロシアは10日夜、「イスラエルが重要な民間インフラに挑発的な攻撃を行ったこと」を強く非難した。
ロシア外務省の報道官は、イスラエルによるシリアの領土への空爆の継続は、「国際的な規範に違反しており、決して許されるものではない」だろうと警告した。
シリアのファイサル・メクダド外相とイランのホセイン・アミラブドラヒアン外相は電話会談を行い、同じく今回の空爆を非難した。SANAが報じた。
シリアはイスラエルの空爆に対して「あらゆる合法的手段を用いて自衛する」とメクダド外相は述べた。
イスラエルは個々の空爆についてコメントすることはめったにないが、空爆を数百回行ったことは認めている。イスラエル軍は、大敵イランがイスラエルの近くで拠点を築くのを防ぐために空爆が必要だとしている。
シリア内戦は、平和的な抗議活動に対する残虐な弾圧から始まり、エスカレートし、外国勢力や世界的なジハード主義者を引き込んだ。
この内戦で約50万人が死亡し、シリアの戦前の人口の約半数が、住む家を追われている。
2015年にロシアが軍事介入して、戦況はシリアのバッシャール・アサド大統領に有利になった。ロシアはシリアに軍事基地を維持している。
AFP