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国連によるイエメンの港での戦争活動監視、フーシ派が妨げに 高官が語る

マイケル・ベアリー少将。(AFP/File)
マイケル・ベアリー少将。(AFP/File)
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17 Jun 2022 01:06:57 GMT9
17 Jun 2022 01:06:57 GMT9
  • マイケル・ベアリー少将はアラブニュースに対し、チームが自由に移動できるように港への完全なアクセスを許可するようフーシ派への働きかけを続けていると述べた
  • 同少将は国連ホデイダ合意支援ミッションを率いている。安保理は近く、7月15日に期限切れとなる合意の更新を決議する予定

エフレム・コサイフィ

ニューヨーク:イエメンのホデイダで停戦を監視する国連ミッションのリーダーは、任務の延長を求めている。

マイケル・ベアリー少将は、イエメンの未来にとっての沿岸都市ホデイダの戦略的・人道的重要性を強調し、その港を「容易に代替できる港」はないと述べた。

「ホデイダ港はイエメンの生命線として機能している」と、同少将はアラブニュースに対し語った。「同国の人口の最大70%に人道支援や不可欠な食料供給を提供している」

「場所とインフラの両方の点で、ホデイダ港を現実的に代替できる港はない。ホデイダ県は依然としてイエメンの社会経済復興への不可欠な道だ」

しかし、正式には国連ホデイダ合意支援ミッション(UNMHA)として知られるベアリー少将のチームは、イランが支援するフーシ派が課した人員の移動制限に依然として悩まされているという。フーシ派は当初から、UNMHAによるホデイダ市内のパトロールや、紛争地域および重大な「停戦下の事件」の発生場所への立ち入りを阻止している。

「フーシ派とは頻繁に連絡を取っている」と同少将は言う。イエメン政府とフーシ派との間の現在の停戦は概ね維持される模様で、フーシ派の側に「ある程度の緩和」をもたらしたとはいえ、「我々はまだ制限されている」という。
同少将は水曜日、ニューヨークの国連本部において、7月に予定されているミッションの任務更新に関する決議を前に安保理のメンバーと個人的な協議を行って、こう発言した。「我々は(移動の自由の制限に)抵抗してきたし、パトロール拡大への承諾をフーシ派から得ようと努めてきた」

「予告なしでいつでも港をパトロールできるように、また全ての地域へ行けるようにしたいと考えているが、まだそこまでは至っていない。それでも、港の民間利用が維持されていることを確認するためにパトロールの頻度は増やしている」
 UNMHAは、イエメン紛争当事者間の自主的な合意である2018年のストックホルム合意から生まれた。同合意は、捕虜交換取引や、包囲されたタイズ県の状況への対処に関する合意など、3つの主な約束を含んでいる。
ホデイダ市について、またホデイダ港、サリフ港、ラス・イッサ港については、同市における即時停戦、それらの港の確保、部隊の再配置を調整する委員会の設置が合意された。また、同市やそれらの港における国連のプレゼンス強化も合意に含まれた。

それらの港がフーシ派によって戦争関連活動に使用される可能性に関して、またイランによってイエメンへの武器の密輸に利用されているという報告に関して、地域や国際社会の論議が続く中、 UNMHAは港の民間利用を維持することを任務としている。
ベアリー少将は、ミッションは港を経由した武器密輸という主張を独自に検証できていないし、港での戦争関連活動を目撃したこともないとしつつ、チームが自由に動き回って「抜き打ち」検査を実施する能力が制限されていると繰り返した。

「私が率いているのは120人規模の小さな政治的ミッションだ。大きな平和維持ミッションではない」という。「軍事監視員の数は少なく、ホデイダでの移動の自由という点では課題がある」
「その課題にできる限り対処している。港周辺をできる限り定期的にパトロールしている」
ベアリー少将は、乗り越えるべき地理的問題も存在すると説明する。

「これらの港は大きく離れている」と同少将は言う。「ホデイダから(サリフに)行くのに3時間かかる。港が都合よく近くにまとまっていないのだ」

「とにかく、我々は港へ行き、現状に変わりがないかを調べている…が、ストックホルム合意以来、我々がこの活動を行ってきた期間には、大きな軍事的活動や軍事的示威は見たことがない」

 問題に直面しながらも、ミッションは重要な任務を継続的に実行していると同少将は言う。

「我々がこの活動を継続することは国際社会にとって重要だ。そして、より大きな移動の自由を得られるよう主張し続けるつもりだ。より頻繁に予告なしにパトロールできるようにするために、そしてそれによって港が民間利用されているという信頼性の高い情報を国際社会に伝えることができるようにするために」

「これらの港は(戦略的に)非常に重要だ。この沿岸には容易に代替できる港はない。人道支援を届けるために極めて重要なのだ。オープンな状態に維持しなければならない」

また同少将は、地雷による脅威を軽減するための活動もミッションの活動の最重要要素の一つであると付け加え、罪のない命を犠牲にし続けている地雷のことを「イエメンの人々に対する呪い」と表現した。

「ミッションは、目の前にあるこの悲劇的な問題へ対処するために、支援を動員する努力を惜しまない」と言う。

イエメン政府とは良い関係を築いているという。そして、4月に始まった全国的な停戦がもたらした、最近のイエメンからの商用国際航空便の再開やホデイダへの燃料輸送のような「平和の分け前」と彼が呼ぶものの恩恵を国連が得られるようにするために、全当事者との間に確固たる関係を築きたいとのことだ。

「平和は本当に当事者の中から出て来なくてはならない。国連やそのミッションが押し付けることはできないが、我々はそこにいて、彼らを手助けする用意がある」

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