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サウジの若者、グリーン・ソリューションの促進に向けて大きな一歩

環境にやさしい着用品を作り出すには素材と技術の実験が必要とされる。(提供写真)
環境にやさしい着用品を作り出すには素材と技術の実験が必要とされる。(提供写真)
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17 Jul 2021 05:07:11 GMT9
17 Jul 2021 05:07:11 GMT9
  • 国産ビジネスやインフルエンサーがソーシャルメディアで環境への影響を最小限にする方法を示している

アミーラ・アビド 

ジェッダ:地球を救う役割を担うサウジの新世代が、食料から衣料まで幅広い業種で「グリーン・フットプリント」を向上させるべく、環境にやさしい慣行を推進している。

国産ビジネスやインフルエンサーがソーシャルメディアを活用し、サステナビリティやグリーンソリューションに注目を集めている。同時に、環境にやさしい習慣を育み、環境への影響を最小限にする方法も示している。

2人のサウジ人女性、ヤスミン・ハムザ氏とハワゼン・ザハラン氏はサステナビリティに強い関心を持っており、インスタグラムに @indulgethyself というアカウントを作成し、環境保護のメッセージを発信している。

ファッションデザイナーのハムザ氏は、自身の「サステナビリティの旅」はニューヨークのファッション学校の在籍中に始まったと言う。

「そこで学んだことがファッション業界におけるサステナビリティの重要性に多くの光を投げかけていました。私個人の日々の生活が環境に与えている影響について考えさせられました。そして環境にやさしい習慣を自分自身の日々の生活に取り入れ始めたのです」ハムザ氏はそう語る。

しかし、環境にやさしい習慣を取り入れて促進しようとする2人の活動は、しばしば困難に直面してきた。

最初、財布にやさしいエコ製品がサウジアラビアではなかなか見つからなかったとハムザ氏は言う。しかし並々ならぬ調査の結果、2人は環境に対する自分たちの規範に合致する地元の企業を見つけることができた。

「Indulge Thyself(インダルジ・ザイセルフ)」では、環境保護に関する知識を広めて対話を推し進めるための安全なプラットフォームを提供している。同時に、利用可能な製品やリソースのリストや情報の提供もおこなっている。

「何より重要なのは、サステナブルであることは達成可能なことだということです。世の中やメディアでよく言われているほど複雑なものではありません」ハムザ氏はそう付け加えた。

顧客を大切にしつつ地球に対しても特別な配慮をしているブランドには次のようなものがある。Carton Shop、Nawah、Home Grown Market、Noon、Sukkari Store、Eco-Shop KSA。

Nawah(ナワ)の創業者ヌフ・バナン氏は、このブランドの目的は「環境にやさしいライフスタイルのためのワンストップ・ショップ」になることだと語る。Nawah(ナワ)は環境にやさしいオンライン・プラットフォームであり、リサイクル、ゴミの減量、環境保護についての啓発活動をしている。

バナン氏によると、ウェブサイトを立ち上げた当初は、自身の目的はリサイクルだけだったと言う。しかし基礎的な製品が入手できるようになれば、この目的が達成しやすくなることに気付いた。

「いつでも再利用できる製品を探し始め、いくつか購入しました。そうした製品のおかげで私の生活が快適になり、しかも非常に環境にやさしい製品であることが分かったので、私はますます興味を抱くようになり、Nawahを通してそうした製品を提供し始めるようになったのです」

Nawahのプラットフォームで提供されている製品は全て、同様に100%環境にやさしい機関から仕入れている。製品は竹、シリコン、ガラス、金属など、地球に脅威を与えない材質で作られている。

シャイマ・シャムシ氏が設立した「Third Culture Co.(サードカルチャー社)」は倫理的なデザインを活用して環境保護運動を推進している。

シャムシ氏は、自身のチームは「自分たちの周囲の全ての物事がエネルギーを運んでいると考えており、当ブランドの活動はそのことを意識したものとなっています」と語る。

シャムシ氏は次のように付け加えた。「このことは職人から素材に至るまで、当方の活動に関連するあらゆる物事に拡大しています。それが見る者の姿を映し出すモノへと結実し、作った者の手から、それを尊重してくれる人の手へと、受け渡されていくのです」

Third Culture Co.は、まず素材がいかに周囲と関わりを持ち、人の感情的価値観に対してどのような役割を持つかを見つめることから始める。「そこから当社は探求を始めます。そして素材がどこからやってきたのか、そのコミュニティはどのようにして私たちが関心を寄せる素材を生み出したのかを理解していくのです」

「生産を少量に抑えることで、当社が手がける1つ1つの製品に関わる従業員に公平な賃金と清潔な労働環境を確保しています。最後に、当社では製品の寿命を考慮し、修理やリサイクルのために購入品を返送していただくよう、お客様にお願いしております。それによって環境に配慮しつつ廃棄または再利用ができるようにしております」

「Indulge Thyself」の背後にいるインフルエンサーは、より環境にやさしいライフスタイルを取り入れて「ゴミの減量(Reduce)、リサイクル(Recycle)、 再利用(Reuse)、よく考える(Reconsider)」のモットーに沿った生活を送りたいと考えている人へアドバイスをしている。

「ゴミの減量(Reduce)とは、自分たちが生み出す廃棄物の量を最小限にするという意味です。再利用(Reuse)とは、製品を何度も使うということです。リサイクル(Recycle)とは、製品を捨ててしまうのではなく、別の目的に使い回すということです。よく考える(Reconsider)とは、自分たちの行動がいかに環境に影響を与えているかを考えるということです」

Third Culture Co.とインフルエンサーは、地元の人々にネットの情報に飲み込まれることを避けるよう呼びかけ、環境にやさしい習慣を身につけることは、よく言われるほど難しいものではないと説明している。

そのメッセージは何か? 関心を持っているなら、ほんの小さな一歩でも、ゆっくりと少しずつ進めて、より良い安全な環境に向けて取り組んでいこう。今の世代のためにも、今後の世代のためにも。

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