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期待はずれに終わった国連気候変動交渉が、COP27エジプト・サミットに「大きな課題」を残す

2022年5月27日、カイロの北東に位置するポート・サイドの紅海沿岸。浜辺で、魚が掛かっていない網を上げるエジプトの漁師たち。(ロイター/アマー・アブダラ・ダルシュ)
2022年5月27日、カイロの北東に位置するポート・サイドの紅海沿岸。浜辺で、魚が掛かっていない網を上げるエジプトの漁師たち。(ロイター/アマー・アブダラ・ダルシュ)
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18 Jun 2022 03:06:27 GMT9
18 Jun 2022 03:06:27 GMT9
  • 富裕国と貧困国、脆弱国との間で緊張が高まる
  • 気候変動資金、排出量削減において大きな進展なし

カイロ:外交官やアナリストによると、ドイツ・ボンで開催されていた2週間の「期待はずれの」国連交渉は、地球温暖化対策について具体的な前進を遂げることができなかった。重要な気候サミットまで5カ月となったが、やるべきことは多く残されているという。

木曜日の閉会式で、途上国は、特に異常気象や海面上昇による損失の増加に対処するための融資制度の設立など、主要な問題について、同中間会合の進展が乏しいことに失望を表明した。

小島嶼国連合(しょうとうしょこくれんごう/AOSIS)の主席交渉官は、39の加盟国は気候資金が「規模や速度を伴って提供される」ことの確証を得ていないと述べた。

「気候の緊急事態は、急速に破局に向かっている。この壁の中では、プロセスは現実とかけ離れているように感じられる」と、カリブ海に位置するアンティグア・バーブーダの国連大使であるコンロッド・ハンテ氏はと述べた。

英気候変動シンクタンクE3Gのアレックス・スコット氏は、ボンにおける弱い成果――排出量削減や適応を促進する世界目標に向けた大きな一歩を踏み出すこともなかった――は、外交官たちに11月のエジプトでのCOP27サミットまでの「大きな課題」を残したと述べた。

このE3Gの気候外交担当リーダーはジャーナリストに、「交渉担当者は、COP27で実質的な進展を実感できるようにするための政治的な余裕を持たないまま参加したように見える」と述べた。

対立

ボンでの会議では、気候変動をもたらす排出量の削減を誰がより多く担うべきか、「損失と損害」を修復し、回避するための費用をどう支払うかといった問題をめぐり、途上国と先進国の間の長年にわたる緊張関係が燃え上がった。

当初から各国は、損失と損害のための専用基金の設立に関する対話を国連の公式議題にするかどうか、またどのようにするかで揉めていた。

この問題はボンでは未決定となり、退任する国連気候変動担当チーフのパトリシア・エスピノサ氏は、COP27で損失と損害のための資金について「主要な政治的決定」を行うよう呼びかけた。

このことは、適応策やクリーンエネルギーに対する資金調達額の増加とともに、「より持続可能で回復力のある未来を築くために極めて重要である」と、彼女は声明で指摘した。

気候行動ネットワーク・インターナショナルの上級顧問ハルジット・シン氏は、多くの先進国がボン会議において当初は、脆弱な国々が(途上国の責任とはいえない)気候変動の影響から回復するための資金提供に関して、前進がみられないことを認めていたと述べた。

しかし、EU、スイス、米国を含む豊かな国々は、その後、新しい融資制度に関する議論を妨害し、途上国がCOP27の議題に加えることさえ許さなかったと、同代表は指摘した。

シン氏はトムソン・ロイター財団に対し、「空虚な言葉を使うのではなく、豊かな国々は国際協力と連帯の精神を示す必要がある」と述べた。

パリ協定を実践する

エスピノサ氏は、シャルム・エル・シェイクで開催されるエジプトのCOPが、「パリ協定の重要な約束を真に現実化する場となり得る」方向にすることに焦点が当たっていると述べた。

各国は、地球温暖化を1.5℃に抑えるというパリ協定の最も厳しい目標を達成するために、いかに早く、深く排出量を削減するか、また、そのための全体の進捗を評価するために、ボンで議論を開始した。

しかし、世界的に排出量削減を加速させることを目的としたプログラムをどのように進めるかをめぐっては意見が分かれた。危機に直面している国々は2030年までの継続を求めたが、中国など一部の国は1年だけの継続を望んだ。

富裕国の政府はまた、この緩和プログラムに主要な新興国を含めるよう求めたが、歴史的に炭素排出への関与が低い発展途上国からの反発に直面した。

米国に本拠を置く世界資源研究所の国際気候行動ディレクター、デビッド・ワスコウ氏は、主要な汚染者に排出削減目標を強化するよう求め、富裕国には、脆弱な国々に対し、温暖化する地球の影響に対処するために必要な資金を提供するよう呼び掛けた。

「おそらく今回のボン会議で最も決定的な成果は、先進国が、損失と損害に対する解決策を求める声が大きくなる一方であることを理解したことだ」と同氏は述べた。

「この問題に取り組むことは、エジプトで開催される国連気候変動サミットの成功を図る中心的な尺度である」と、彼は声明で付け加えた。

「非良心的」な行為

気候変動に関して脆弱な国々は、国連交渉における進展の遅さに長い間悩まされており、彼らの主要な要求――より多くの資金を含む――はほとんど満たされていない状態である。

今月発表された、低所得国の連合体「V20」による報告書では、バングラデシュからケニア、南スーダンまで、気候変動の影響を強く受けている55の経済国が、過去20年間に地球温暖化の影響により、平均で国富の20%にあたる約5250億ドルを失っていることが明らかになった。

気候変動に起因する損失はすでに急増しており、世界中で化石燃料の使用による排出を抑制するための対策を劇的に強化しなければ、さらに悪化すると、2月に発表された国連の主要科学報告書で警告されている。

ボン会議の閉会式でスイスは、1.5℃の目標を達成するための排出量削減の野心に十分な進展が見られなかったと述べ、今年は「1.5℃を失うかもしれない」が、「そんな余裕は残されていない」と警告を発した。

AOSISのハンテ氏は、排出量の多い国に対し、国連が設定した9月下旬の期限までに排出量削減のためのより強力な計画を提出するよう求め、世界が「災害へのオーバーシュート」の縁にぶら下がっている「コードレッド」の状況であると警告を発した。

「科学が我々の決定の基礎であるべきだが、我々は何の成果も得ずに去ることになった。これは、脆弱な国々と交渉する場における『非良心的』な行為だ」と、彼は代表団に語った。

ロイター

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