
アンカラ:風が原因で広がった山火事の消火活動は23日、3日目に入った。この火事で、トルコ南西部の人気リゾート地の近くにある帯状の松林が黒焦げになり、数十人が家を追われている。
21日にエーゲ海沿岸のマルマリスの近くにあるボルドゥベト地方で起きた火事の消火に当たるため、消防士2500人以上が出動した。消防飛行機・ヘリが援助している。火事は風にあおられ、急速に広がった。
火事はボルドゥベト周辺の3カ所で猛威を振るっていたが、4カ所目で鎮火した。マルマリスがあるムーラ地方の市の事務局が発表した。
当局は予防措置として275人近くをこの地域から避難させたと発表した。
ヴァヒト・キリシ農業森林大臣は、約3000ヘクタール(約7400エーカー)の森林が被害を受けたと発表した。
職員数千人に加え、消防ヘリ45機と消防飛行機12機が消火活動に携わっている、と同氏は述べた。カタールはヘリ3機を派遣すると申し出て、アゼルバイジャンは飛行機をもう1機派遣すると申し出たという。
検察は火事の原因を調査している。放火の可能性も排除していない。
地中海沿岸のいくつかの国では日照り続きの状況が続いている。先週、熱波がドイツ北部に届き、山火事の消火に必要な航空機の燃料費が高騰しているため、今年の夏は欧州全体で懸念が高まっている。
昨年の夏、強風と焼け付くような気温にあおられた山火事が、トルコの地中海沿岸地域と、マルマリスを含むエーゲ海沿岸地域の森林を焼き尽くした。少なくとも8人の命と無数の動物の命を奪ったこの山火事は、トルコ史上最悪の火災と言われた。
村やリゾート地は避難を余儀なくされた。海岸に避難して船で救助される人たちもいた。この山火事ではまた、石炭火力発電所2カ所の存続が脅かされた。
エルドアン政権は、近代的な消防飛行機が不足しているなど、大規模な山火事への対応や消火の準備が不十分だとして批判を浴びている。
AP