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イスラエル首相、国会解散前に閣僚会議を開催

イスラエルのナフタリ・ベネット首相(資料写真、AFP)
イスラエルのナフタリ・ベネット首相(資料写真、AFP)
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26 Jun 2022 09:06:52 GMT9
26 Jun 2022 09:06:52 GMT9
  • 現在は野党リーダーのベンヤミン・ネタニヤフ氏には、国家の指導者に復帰する余地が生まれている

テルアビブ:イスラエルのナフタリ・ベネット首相は26日、現首相として最後となる可能性が高い閣僚会議を開いた。今週中に国会が解散し、秋には総選挙が行われる見通し。

ベネット氏が解散・総選挙を決断したことにより、イデオロギーの異なる8党を束ね、違いを捨ててネタニヤフ前首相(現野党党首)を追放するという野心的な政治体制は、終わりを告げることになる。一方でネタニヤフ氏には、国家の指導者に復帰する余地が生まれている。次回選挙は、イスラエルにとってこの3年間で5回目となり、かつてない深刻な政治危機の様相を呈している。

閣僚会議でベネット氏は、1年間の政権下で達成した一連の成果を強調し、連立政権のパートナーに謝意を表した。そのパートナーには、パレスチナ人国家の建設を支持するハト派政党、支持しない民族派政党、そしてイスラエル史上初めてとなるアラブ系政治家も含まれていた。

会談でベネット氏は、1年間の政権下で達成した一連の成果を挙げ、連立政権パートナーに謝意を示した。そのパートナーには、パレスチナの国有化を支持するハト派政党、支持しない民族派政党、そしてイスラエル史上初となるアラブ系政治家の派閥も含まれていた。

「確かに現政権は、複雑な連合に根差した優れた政権だった。今この閣議室には、イデオロギーの相違を脇に置き、超然とイスラエル国家のために尽力する方法を知っている人々の集団が存在している」。ベネット氏はこのように述べた。

ベネット氏を首相に押し上げた権力共有の合意の一部として、同氏は国会が解散され次第、首相の座を中道派の元ブロードキャスターであるヤイール・ラピード外相に譲ることになっている。総選挙は今年10月末ごろに行われる見通しで、世論調査では、ネタニヤフ氏率いる政党リクードが最多の議席を獲得するとの予測が出ている。

しかし、現在の政治的混乱の中で行われてきたほとんどの選挙でみられたように、汚職事件で裁判中のネタニヤフ氏は、従来からの連合相手の一部に参加を拒否され、これまで連立政権を樹立するための過半数を確保することができなかった。次回の選挙後には、その困難な状況がさらに深刻化する可能性がある。

ベネット政権は、経済を安定化させ、新型コロナウイルスのパンデミック下だった昨年1年間を乗り切った一方、とりわけイスラエルによるヨルダン川西岸地区の55年にわたる占領という、避けようとしてきた困難な問題をめぐる政権内の不一致に悩まされた。

ベネット氏は、政府が領土内のユダヤ人入植者とパレスチナ人向けに別々の法的制度を明記した諸規制を更新することができなかったため、自らの政治的実験に終止符を打つことに決めたと述べた。

ベネット氏自身が所属する民族主義派閥のヤミナは、入植者のリーダーだった同氏が連立維持のために中道寄りに傾き過ぎたとして、離脱する議員に悩まされることになった。

10年前に政界入りしたベネット氏は、自身が次期選挙に出馬するかどうかについてはまだ何も語っていない。

AP

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