ドバイ:イランと米国は、歴史的協定であった2015年核合意への復帰に向けた新たな努力として、カタールで今週、間接協議を再開する予定であると、米国務省報道官が27日に発表した。
この協議は、EUの仲介によりイランと列強国の間で行われるウィーンでのより広範な交渉とは別に実施されるものであると、EUのジョセップ・ボレル外務政策上級代表が25日にテヘランで述べている。
核合意は、2018年に当時の米大統領ドナルド・トランプ氏が一方的に離脱し、米国の最大敵国であるイランに対する厳しい経済制裁を再開させたことで、危うくなっていた。
ジョー・バイデン政権は、核合意への復帰がイラン関連の最良の道筋であるとして復帰を模索してきたが、ここ数週間は悲観的な見解を述べていた。
イラン外務省のサイード・ハティブザデ報道官は27日、協議は米国の制裁解除に焦点を当てたものとなり、「今週後半にアラビア湾岸国家で」行われると述べていた。
イランのタスニム通信はこれとは別に、ある外務省関係者からの情報として、イラン核合意交渉団トップのアリ・バゲリ氏が28日に「制裁解除に関する交渉」のためにカタールを訪問すること、そして米国とイランの間接協議がそこで行われることを報じた。
ワシントンでは、湾岸地域で今週、協議が行われることを国務省報道官が発表した。
「メッセージを伝達し続け、こうした交渉を進めるために尽力してくれているEUのパートナーには感謝している」と報道官は述べた。
「我々は、双方がJCPOAの完全履行に復帰すべく、ウィーンで交渉した合意を直ちに締結・実行する準備がある」と、報道官はJCPOA(共同包括的行動計画)という核合意の正式名称を使って述べた。
「しかしそのためには、イランはJCPOAの範囲から外れる追加要求を取り下げるよう決断する必要がある」
カタールは、外交交渉の拠点の役目を担おうとしており、これまでにも、米国がアフガニスタンから撤退する前に、米国とタリバンの交渉の膳立てを務めた。
イランのハティブザデ外務報道官は、協議による「肯定的な結果」への期待を表明した。
「ここ数日で我々が話し合うのは、核ではなく、既存の相違点、(そして)制裁解除に関することだ」と報道官は述べた。
「米国が答えを持ってくれば、そこで初めて、我々が直ちに対応することも可能になる……ボールは今、米国側のコートにあるということだ」
核合意復帰に向けた協議は、昨年4月にウィーンで始まったが、今年3月、イランと米国の意向が対立して暗礁に乗り上げた。中でも、イランはイスラム革命防衛隊を米国のテロ組織指定から外すことを要求しており、それにより協議は行き詰っていた。
ウィーンの協議でも、イランは米国に対し、トランプ大統領の離脱のような事態を二度と起こさないという保証を繰り返し求めた。
バイデン政権は、トランプ時代に革命防衛隊をブラックリスト入りさせた決定を覆すという件(間違いなく議会の大半を激怒させる措置だ)は、核合意復帰交渉の範囲から外れているとしている。
トランプ氏が2019年にこの措置をとった際に浮上した懸念点に対処するための措置として、バイデン政権は先週、これまでに強制的に革命防衛隊に入隊させられたイラン人については、米国への入国を拒否しないと発表した。
一方、27日の報道によると、イランは固体燃料ロケットを宇宙に打ち上げたというが、今回の実験がこれまでの取り組みと比べて成功であったかどうかは明らかにされていない。
イランの国営メディアが打ち上げ映像を放映したが、いつどこで発射されたものであるかは不明だ。
AFP