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チュニジア大統領、改憲案で最大権限を取得

 2022年6月19日、チュニスのカイス・サイード大統領に抗議するデモ隊。(REUTERS/ファイル写真)
2022年6月19日、チュニスのカイス・サイード大統領に抗議するデモ隊。(REUTERS/ファイル写真)
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01 Jul 2022 06:07:15 GMT9
01 Jul 2022 06:07:15 GMT9

チュニジア大統領、改憲案で最大権限を取得

  • 7月25日の国民投票では、新憲法の承認が求められるが、最低投票人数は定められていない

チュニス:チュニジアの大統領は木曜日、来月の国民投票にかける新憲法案を発表し、自身の権限を拡大して議会の役割を制限するとしているが、ほとんどの政党はすでにこれを拒否している。

昨年夏、敵対勢力からクーデターと呼ばれる措置で議会と民主的な2014年度憲法を一蹴して単独統治へと進み、政治システムの再構築を宣言して以来、カイス・サイードは政令による統治を続けている。

昨夏の同氏の介入により、チュニジアは2011年の革命で前独裁者ザイン・アル=アービディーン・ベンアリーを追放し、民主化を導入して以来最大の政治危機に陥っている。


7月25日の国民投票で新憲法の承認が求められるが、その際の最低投票人数は定められていない。

政治体制の大半は同氏の動きに反対し、支持者に投票をボイコットするよう促しているため、アナリストによれば、この法案は限られた国民の関与のもとでのみ可決される可能性が高いとしている。

革命以来、連立政権で主要な役割を果たしてきた議会最大のイスラム主義政党エンナハダを含む主要政党は、この憲法草案に対して即時的なコメントを発表していない。

一方この間、多くのチュニジア国民は、経済危機の深刻化と公共財政への脅威から、給与の遅延や主要物資の不足が引き起こされることに、より大きな関心を寄せている。

サイード氏が憲法起草の準備のために1月から3月にかけて行ったオンライン「コンサルテーション」は、チュニジア国民の関心をほとんど集めず、参加者はごくわずかだった。

権限

木曜日遅くに官報に掲載された憲法草案は、政治権力のほとんどをサイード氏に委ね、政府と司法に対する最終的な権限を与えるものである。

以前は、政治権力はより直接的に議会が行使し、政府の任命や法案の承認において主導的な役割を担っていた。

新憲法では、政府は国会ではなく大統領に応えることになるが、国会は3分の2の多数で政府からの信任を撤回することが可能であるとしている。

サイード氏は、法律の草案を提出し、条約の提案と国家予算の起草を一任され、政府閣僚の任命と解任、裁判官の任命が許可されると、官報は伝えている。

大統領は5年ずつ2期務めることができるが、国家に差し迫った危険があると感じた場合には任期を延長することができ、また、また、大統領を解任することができる条項はないが、国会解散の権利を有する。


この憲法は、12月に予定されている選挙によって新議会が発足するまでは、サイード氏が政令による統治を続けることを容認するものである。

また、議会の第二院として「地域評議会」を新設するとしているが、その選出方法や権限などについての詳細は殆ど明らかにされていない。

無所属のサイード氏は、新しい選挙法の制定を約束した。まだ公表されてはいないが、有権者は政党の一員としてではなく、個人としてのみ候補者の選任を行うことを示唆している。

その間、イスラム教は国教ではなくなるが、チュニジアはより広いイスラム国家の一部とみなされ、国家はイスラムの目指す目標を達成するために取り組むべきである。大統領はイスラム教徒でなければならない。

しかしながら、サイード氏は言論の自由、組合結成の権利、平和的集会の権利など、権利と自由を列挙した2014年版の憲法のほとんどの部分を維持した。


しかし、裁判官、警察、軍隊、税関の職員にはストライキを行う権利はないものと見られ、裁判官は最近、司法の独立を抑制しようとするサイード氏の動きに抗議して、数週間にわたってストライキを行っている。


ロイター

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