
アラブニュース
ジェッダ:人権保護団体が金曜日に発表したところによると、イランでは、反体制デモ参加者を威圧するための新たなキャンペーンとして、過去6カ月間で処刑数が2倍以上になっている。
1月1日から6月30日までに、昨年上半期の117人と比較して、251人のイラン人が絞首刑に処された。死刑執行の急増は、イランの経済破綻とパンなどの基本的な食料品の価格高騰に対する一連の全国的な抗議行動と時を同じくして起きている。
ノルウェーの活動団体『イラン・ ヒューマンライツ』の創設者であるマフムード・アミリー・モグハダム氏は、「高まる反体制デモの人気に対抗するために恐怖を広めることが、こうした処刑の主目的であることは疑いない」と述べた。
「死刑執行に対するより強い国際的な対応と国内キャンペーンだけが、当局にとってこれらの死刑執行の政治的コストを引き上げ、増加傾向に歯止めをかけることができる。」
アミリー ・モグハダム氏によると、5月7日にイランで反体制デモの最新波が始まって以来、137人の処刑が行われたとのことだ。このうち6人の女性が処刑され、今週だけでもテヘラン郊外のラジャイ・シャール刑務所で8人の囚人が絞首刑に処された。
同団体によると、この推定は公式メディアに発表されたもの、または少なくとも2つの独立した情報源によって確認されたものだけを含んでおり、実数はさらに多い可能性があるとしている。
活動家たちはまた、イランが少数民族、特にバルフ系とクルド系の人々を不当に多く処刑していると非難している。イラン・ヒューマンライツによると、南東部に住むスンニ派イスラム教徒を中心とする少数民族バルチ族出身の囚人67人の処刑を集計している。
アムネスティ・インターナショナルの2021年の死刑に関する年次報告書によると、イランで記録された死刑執行の少なくとも19%は、人口の約5%を占めるにすぎないバルフ系であったという。
また、6月20日には、トルコで反乱を起こした非合法組織「クルディスタン労働者党」の党員として有罪判決を受けたクルド人のフィルズ・ムサルー氏が処刑されたことも懸念されている。同氏の刑は、家族にも知らされないまま秘密裏に執行された。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は先月、イランが再び薬物犯罪者を大量に処刑し、少数民族の人々も多く処刑していることに懸念を表明した。
国連人権担当副高等弁務官のナダ・アル・ナシフ氏は、「死刑は依然として『最も重大な犯罪』に相当しない容疑に基づいて、公正な裁判基準とは相容れない方法で課せられている」と述べた。