
ベイルート: バッシャール・アサド大統領は金曜日、滅多にないことだが、北部のアレッポ県を訪れ、シリア最大の都市であるアレッポを視察し、かつて反乱軍によって占拠され、内戦中に大きな損害を被った発電所を再稼働させたと国営メディアが伝えた。
シリア最大の都市であり、かつては同国の商業の中心であったアレッポへのアサド大統領と家族の訪問は、数か月にわたる戦闘の末、政府軍が反体制派から都市の東部地域を2016年12月に奪還してから初の大統領による訪問となる。
大統領府が公開した写真は、アサド氏とアスマ夫人、二人の息子と娘がアレッポの名所の一つで内戦中に大きな損害を受けた、歴史ある屋根付きの市場を歩く姿をとらえている。市場の一部は、現在改修中である。
アサド氏はまた、数百年の歴史を持ち、アレッポの大モスクとして知られるウマイヤ・モスクも視察した。このモスクでは、改修工事が何年にもわたり続けられている。
4年の間反体制派の支配下にあったアレッポ東部の奪還は、当時内戦下でのアサド政権にとって最大の勝利であった。
大統領府と国家報道局(SANA)によると、都市の視察の前に、アサド大統領はアレッポ県東部にある発電所を訪れた。
現在、政権の支配下にある地域では、電力の供給量が需要にまったく追いつかず、一日に12時間以上の停電に悩まされている。11年に及ぶ内戦で、シリアのインフラは壊滅的被害を受けた。
SANAはまた、改修されて最大200メガワットの電力供給が可能になったアレッポ発電所の一部をアサド氏が再稼働させたとも伝えている。発電所の残りの部分も、現在補修工事が進められているとのことである。
報道によれば、金曜日の再稼働は、シリア政権軍が反政権軍から発電所を奪還してから6周年の記念日に当たる。
シリア政権軍は現在、同盟国であるロシアとイランの支援により、政権側に状況が有利に変わったことで国の大部分を掌握している。2011年に始まった内戦は数十万の死者を出し、人口の半数は難民となり、国土の大半は破壊された。
シリアのフセイン・アルヌース首相は最近、議会に対し国内の電力需要は約7千ワットに達する一方で発電所からの供給は2千5百メガワットをやや上回るだけであると語った。
アルヌース氏はまた、電力不足の主な原因は、紛争中に国内最大級の石油・ガス田のいくつかがアメリカの支援を受けたシリアのクルド人主体の武装勢力に占拠されたことで同国の天然ガスの産出量が大きく落ち込んだことであるとも付け加えている。
11月に、シリアはUAEの企業グループと、ダマスカス近郊に太陽光発電所を建設する契約を結んだ。この発電所は、最大で300メガワットの生産が可能である。
その1か月前、シリアの電力省は1億1千5百万ドルでシリア中央部の別の発電所を再建する契約をイランの企業と結んでいる。
AP