

トリポリ:トリポリで深夜に発生した武装グループ間の戦闘で少なくとも13人が死亡したと救急サービスが22日、明らかにした。政治的緊張が高まる中、リビアの首都を襲った最新の暴力事件である。
トリポリ東部では、真夜中過ぎに公園エリアで発生した戦闘の銃声が、22日の午後になっても依然として聞こえており、酷暑の夏の日を終えて涼みに向かうトリポリ市民の間に恐怖を与えている。
戦闘により、何十人もの人々がトリポリ大学のキャンパスや近くの医療センターに避難することを余儀なくされた。
救急サービスはニュースチャンネル、リビア・アル・アハラールに対し、戦闘により「13人が死亡し、そのうち3人が11歳の子供を含む民間人であり、30人が負傷しました」と語った。
今回の衝突は、戦争で荒廃したリビアの西部で大きな影響力を持つ2つの武装グループ、アル・ラダー(Al-Radaa)の部隊とトリポリ革命旅団(Tripoli Revolutionaries Brigade)との間で起こったものである。
複数の情報筋によると、一方のグループが他方のグループに属する戦闘員を拘束したことが戦闘の発端となり、それがトリポリの諸地区に拡大したという。
22日には、444旅団(444 Brigade)という別のグループが停戦を仲介するために介入し、緩衝地帯に部隊を展開したが、彼らも激しい銃撃を受けたとAFPのカメラマンが報告している。
しかし、リビアのアブドゥルハミード・ドベイバ首相のムハンマド・ハムダ報道官は22日午後、警察としても機能するアル・ラダーが、ドベイバ首相と大統領評議会の要請を受けて「戦闘行為を停止することを約束した」とツイートしている。
政府系メディアによると、ドベイバ首相はハレド・マゼン内相を停職させ、代わりにバドル・エディン・アル・トゥミ地方政府相を新たに内相に任命したという。
リビアでは数カ月前から2人の首相が権力を争い、緊張が高まっている。東部の軍事勢力の指導者ハリファ・ハフタル氏によるトリポリ武力制圧の乱暴な試みが画期的な停戦により終了してから2年、新たな紛争の懸念が大きくなっているのである。
今回の衝突は、2020年の停戦以来、トリポリでの戦闘による初の民間人犠牲者が出る事態となった。
戦闘があったある地域では、結婚式に出席していた数百人の女性たちが式場に閉じ込められてしまった。その中にはマイサ・ビン・イッサさんとその姉妹たちもいた
「救急車が来て助け出してくれて、ほんとうに良かったです。彼らが来てくれなければ、街の中心部の家から何キロも離れたアインザラの結婚式場にずっと閉じ込められていたでしょう」と、彼女は語った。
「爆撃と銃撃で本当に怖かったです」
地元住民のモフタル・アル・マハムディさんは、家族とともに地下室で一夜を過ごし、「子供たちはまだ怖がっています」と語った。
マレク・アル・バドリさんは、主要な道路を避け、携帯電話を使って母親の家への道を見つけたという。
「このような武装グループがいる限り、トリポリに再び平和が訪れることはないでしょう」とアル・バドリさんは言う。
また、救急サービスのオサマ・アリさんは、アル・アハラールの取材に対し、数十人の学生が救助されるまで大学の寮に閉じ込められていたと明かしている。
リビアは、2011年にNATOの支援を受けた蜂起によって独裁者ムアンマル・カダフィ大佐が権力の座を追われ殺害されて以来、治安の悪さに悩まされており、残された権力の空白を巡って武装グループが何年も争いを続けている。
ドベイバ首相の国民統一政府は、石油が豊富なリビアでの10年以上の暴力を終わらせるために、国連が支援する和平プロセスの一環として昨年任命された。今週の戦闘に関与したグループは両者共に、名目上、ドベイバ首相の政府に忠誠を誓っている。
ドベイバ首相は、ハフタル氏と協定を結んだ後、リビア東部の議会によって2月に首相に指名されたファトヒ・バシャガ氏に権力を譲ることを拒否している。
今回の戦闘により、首都トリポリで唯一機能していたミティガ空港も、当面の間閉鎖されることとなった。
国連リビア支援団(UNSMIL)は、民間人が犠牲になったとの報告を受け、調査を要求したと明らかにした。
「民間人の命を危険にさらすいかなる行動も容認できません」とUNSMILはツイートし、「すべてのリビア人は、この不安定な時期に、危機にさらされている国の安定を守るために可能な限りのことをしてください」と呼びかけた。
AFP