
ワシントン:ドナルド・トランプ大統領は水曜日、イランがイラクの米軍基地へミサイル攻撃を行った後、アメリカ人・イラク人共に死者が出ず、イランは「身を引いているようだ」と述べた。
「わが国の兵士は全員無事であり、われわれの軍事基地における被害は最小限にとどまった。われらが偉大なるアメリカ軍は、何に対しても備えができている」と、トンランプ大統領はホワイトハウスから国民に対する演説で述べた。
「イランは身を引いているようだ。これは全当事者にとって良いことであり、世界にとっては非常に良いことだ。アメリカ人やイラク人の命は一つも失われなかった」
トランプ大統領は、アメリカがイランに対して直ちに「厳しい追加制裁」を科すと話したが、7日のミサイル攻撃に対する報復については言及しなかった。専門家らはイランのミサイル攻撃について、バグダッドでガセム・ソレイマニ司令官が米国の無人機攻撃によって殺害されたことに対する最初の本格的な対抗措置とみている。
ミサイル攻撃は、代理部隊ではなくイラン国内の軍隊から初めて発射されたもので、アメリカ・イラン両政府間の激化する対立において新たな局面となった。これを受け、世界の石油価格は急騰した。
トランプ大統領は、経済政策の成果によって中東の石油に対するアメリカの依存度が低下し、中東におけるアメリカ政府の「戦略上の優先事項」が変わったと述べて、その実績を声高に強調した。
「今日、北大西洋条約機構(NATO)に中東のプロセスへの関与を大幅に深めるよう要請する」と大統領は話した。
また、アメリカは5月に2015年のイラン核合意から離脱したが、世界の主要国に対し追従するよう求めた。
合意はすでに解体している。イラン政府は日曜日、ウラン濃縮に使用される遠心分離機の数に対する制限を遵守しない、と発表した。この制限は、核合意におけるイランの義務のひとつだ。
「イギリス、ドイツ、フランス、ロシアがこの現実を認識する時が来た。イラン合意、つまりJCPOA(共同包括行動計画)の残り物から今、離脱しなければならない」とトランプ大統領は述べた。
「世界をより安全で平和な場所にするイランとの合意の締結に向け、われわれは全員で共に取り組まなければならない」
大統領はイランに対して直接呼びかけ、アメリカは、イランに相応しい繁栄と他国との調和が待つ「すばらしい未来」を享受してほしい、と話した。
「アメリカは、平和を追求するすべての人々との和平を受け入れる用意がある」と大統領は述べた。.
世界各国の首脳は、イランのミサイル攻撃を非難した。イラン西部のアインアルアサドに広がる空軍基地とアルビルに位置する基地を標的としたもので、両基地ともに、DAESHグループの残党と戦うアメリカ主導の連合隊の一部として配備された、アメリカと他国の軍隊を擁している。
イランの最高指導者ハメネイ師は、この攻撃をアメリカに対する「顔面への平手打ち」と呼び、革命防衛隊の国外任務に従事する部隊のトップだったソレイマニ司令官殺害に対する報復はまだこれからだ、と述べた。
AFP通信