エファレム・ コッセイフィ
ニューヨーク:日曜日深夜にエジプトの仲介で締結されたイスラエルとパレスチナ武装勢力の間の停戦は激しい戦闘を終わらせ、現在も維持されているようだが、状況は予断を許さず、今回の戦闘の根底にある原因は依然として残っていると、国連は月曜日に述べた。
また、暴力の連鎖を終わらせるためには数十年にわたる対立を政治的に解決するほかはないと述べ、その政治的解決はイスラエルによる占領の終結と、1967年6月の境界線に基づき国連決議と国際法に則った二国家解決を含むものであるとした。
国連のトル・ウェネスランド中東和平プロセス特別調整官は、安全保障理事会の緊急会合で、直近の戦闘でイスラエルはガザ地区に対し147回の空爆を行い、パレスチナの「イスラム聖戦」(PIJ)はイスラエルに向け1100発のロケット弾・迫撃弾を発射し、パレスチナ人46人が死亡し360人が負傷したと報告した。数百の家屋や民間インフラも破壊された。これらの数字は暫定的なもので「現在検証中」だという。
「イスラエルの正当な安全保障上の懸念は十分に認識しているが、国際法のもとでは全ての武力行使は均衡性を確保する必要があり、また民間人の犠牲を回避するための実行可能な措置は全て取らなければならないことを改めて強調する」と同特別調整官は述べた。「特に、子供が暴力の標的になったり危険に晒されたりすることがあってはならない」
UAEは中国、フランス、アイルランド、ノルウェーと共同で、ガザ地区の最近の情勢について議論するための緊急会合の開催を要請した。
ウェネスランド特別調整官は、ただでさえ必須医薬品が慢性的に不足しているガザ地区において、今回の戦闘がそれを悪化させたと指摘した。また、イスラエルがエレズ検問所のガザ地区方向への通過を6日間禁止したことで、患者がイスラエルに移動して治療を受けることができなくなるなど、ガザ住民が深刻な人道的危機に陥ったと述べた。
「さらに、検問所の閉鎖は、基本的な食料、特に小麦粉の備蓄を減少させ、ただでさえ不安定なガザ地区の食料安全保障状況を悪化させた」
また同特別調整官は、国連と共に停戦を仲介したエジプトと、戦闘激化を回避するために努力したカタール、ヨルダン、米国、パレスチナ自治政府に感謝を表明した。
「これらの努力により全面戦争勃発が回避された。また、ガザ地区住民が切望している人道援助を届けることが可能になり、本日開始された」
同特別調整官は、イスラエルによる停戦後のエレズ検問所とシャローム検問所の「時宜を得た再開」を歓迎した。また、イスラエルとパレスチナの指導部や国際社会に対し、実行可能な二国家解決に向けた交渉を再開するための外交努力を強化するよう求めた。
パレスチナのリヤド・マンスール国連常駐オブザーバーはイスラエルを、「民族全体を殺害・抑圧している」として非難した。また、イスラエルの「安全保障の権利は殺しのライセンスになっており、取り消す必要がある」と述べ、安保理に対して「今すぐ行動」するよう求めた。
「暴力反対と言うなら、イスラエルによる暴力を例外にすべきではない」と同常駐オブザーバーは詰め寄った。「正当化してはならない。平和と安全の維持に責任を持つ最高権威として『もうやめにしよう』と言う用意があるのか」
「イスラエルが我が民族を殺すのは、それが許されると思っているからだ。いつになったら世界は彼らに対してそれは許されないと教えるのか」
同常駐オブザーバーは会合参加者に対し、「無防備なパレスチナの家族たちが必要としているのはあなた方の支援だ。核兵器や占領軍ではない」と訴え、「今すぐに両当事者を和平プロセスに引き込む」よう求めた。
イスラエルのギラド・エルダン国連常駐代表はPIJを、「黒幕」イランから命令を受けているとして非難し、イランの「憎悪は際限がない」と述べた。
同常駐代表はPIJと、最近殺害されたアルカイダ指導者アル・ザワヒリ氏がかつて所属したエジプト・イスラム・ジハード団(EIJ)を比較した。
「EIJとPIJは名前が似ているだけではなく、他にも共通点がある」と同常駐代表は指摘した。「我々が住む自由で現代的な世界を滅ぼすという同じ価値観を共有しているのだ」
同常駐代表は、7月31日に米国のドローン攻撃によってアル・ザワヒリ氏が殺害されたことを世界は歓迎したが、「イスラエルが同じことをすると国連は急に深い憂慮を表明した。このような二重規範は理解しがたい」と述べた。
「ガザ住民を救済する唯一の方法は、彼らの指導者たちがイスラエルを壊滅させようとするのをやめ、テロのための設備への投資をやめることだ」
同常駐代表は安保理に対し、一体となってPIJを非難するよう求めた。「議論の場を設けておきながら、彼らの戦争犯罪を十分に非難する機会を逸するようなことがあれば、彼らに(同様の戦争犯罪を)続ける動機を与えることになる」
また、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領に対し、停戦仲介と「地域の安定回復」のための努力を感謝すると述べた。
エジプトのオサマ・アブデル・ハレク・マフムード国連常駐代表はイスラエル当局に対し、違法な活動を全て終わらせること、(「パレスチナ人の基本的人権の最も目に余る侵害」である)ヨルダン川西岸地区での入植地拡大を止めること、ガザ地区の封鎖を解除して食料・燃料が再び供給されるようにすることを求めた。
また、イスラエルに対しては東エルサレムの聖地の法的・歴史的地位の尊重を、全当事者に対しては民間人を標的にしないことを、国際社会に対しては和平プロセス復活の支援を求めた。
UAEのモハメド・アブシャハブ国連常駐副代表は、ガザ地区における直近の暴力について深い憂慮を表明し、全当事者が国際法と国際人道法のもとでの責任を遵守することが必要だと強調した。また、イスラエル人たちがアル・アクサモスクに侵入した事件について、挑発行動であると非難した。
同常駐副代表は、「ガザ地区における人道的状況は悪化しており、さらなる衝撃に耐えられない」と述べ、停戦を歓迎し、エルシーシ大統領がその仲介で果たした役割にUAEは「心から感謝している」と述べた。
また、中東に平和をもたらすための地域と国際社会の全ての努力および二国家解決をUAEが支持することを再確認した。