
リオデジャネイロ(ブラジル)
元自動車産業界の大御所カルロス・ゴーン被告は、彼が保釈条件に違反してレバノンに出国する前に拘束されていた日本の当局筋に対して、ラテンアメリカの国であるブラジルが「圧力」をかけなかったことに失望したと、ブラジルのメディアに対し語った。
ブラジルで生まれ、同国籍を有する元ルノー・日産のトップのゴーン被告は、金銭的な不正行為を行った容疑で裁判を待っていたが、彼はその容疑を否定している。
65歳のゴーン被告は、水曜日にベイルートで開かれた会見の場で、日本では公正な裁判が受けられないとみられることから、先月日本を脱出したと語った。 彼は厳しい条件下で130日間拘束されていた。
ゴーン被告はグローバルニュースのインタビューに対し、以前ジャイール・ボルソナーロ大統領がブラジル在住の同被告の姉であるクロディーヌ・ビチャラさんと接触したことから、同被告は今回の事件におけるブラジル政府の公式な介入の期待を高めていたと語った。
「ある時点で、ブラジル政府が正常かつ適切な処遇を求める圧力をおそらくかけるであろうと望んでいた。」と、ゴーン被告は水曜日の夕方に放送されたインタビューで語っている。
フランス、レバノン、ブラジル国籍を有するゴーン被告は、ボルソナロ大統領が10月に東京を訪問した際に、この問題を取り上げることを期待していた。
「外務省が、日本政府が動揺するとの懸念を大統領に伝え、その結果何もなされなかったのだと思う。」
ボルソナロ大統領側はAFPのインタビューに対し即座には回答しなかった。
ゴーン被告は、「国際刑事警察機構(インターポール)との問題を回避する」ための直行便に乗りさえすれば、「問題なく」ブラジルに行くことができたと語った。
レバノン政府は、木曜日、インターポールから発行された「赤い手配書」についてゴーン被告から事情聴取を行なった後、彼の渡航を禁止した。
「赤手配書」とは、犯罪者の引き渡し、自首、あるいは同様の法的措置を待つ間、当該者を仮逮捕するよう、世界中の警察に要請するものであり、 逮捕状ではない。
レバノン政府は日本政府と犯罪者引き渡し条約を結んでいない。
ゴーン被告は、2018年11月の衝撃的な逮捕以来、彼に対する訴訟は、日産とフランスのパートナーであるルノーとのより密接な統合を目指す彼の計画を阻止するための企てであると主張している。
ゴーン被告の姉であるビチャラさんは、ブラジルの日刊紙フォルハ・デ・サンパウロに対し、彼女の弟の事件に何も行動を起こさないブラジル政府に失望していると語った。
AFP