
モハメド・シャマー
カイロ:この10日間に渡ってエジプトで起きた一連の教会火災に関して当局は電気系統のショートによるものだと述べているが、実際は意図的な原因なのかあるいは不注意によるものなのかに関して憶測が持ち上がった。
インババ地区アブ・シフィン教会の火災では41人が死亡した。そのほか4つの教会で起きた火災で犠牲者は出ていない
「これらの火災は電気系統のショートによるものか、あるいはとりわけ夏の高温によって当該地域の電気系統に不具合が生じたためです」と前国民保護官のアイマン・サイード・アル・アール少将は述べた。
「これは教会の職業的安全がおろそかにされていることを意味しており、エジプト当局は今後このような火災を防ぐため十分監視する必要があります」とアイマン氏は語った。
またアイマン氏は「国民保護部隊で働く立場から、この時期に起こるエジプトでの火災のほとんどは電気系統のショートが原因であることを十分承知しています。乱雑な電気接続や弱い電気接続における深刻な過失を目撃しましたが、こういった接続は夏のエアコン使用による負荷の増加に耐えられないのです」とも語っている。
「負荷が増加するとプラスチック電線の絶縁体の素材が溶けて電気がショートし、数分以内に発火してしまうのです」
当局の説明があってもなお十分な対策がなされていないと考える人は多くいる。
エジプト議会議員のディナ・ヘラリ氏はアラブニュースに次のように述べた。「度重なるエジプトでの火災によって国民保護システムの見直しや、教会のみでなくすべての重要施設における必要な予防策の見直しに取り組む必要、さらにこういった施設での火災に対処する専門家を置いたりリアルタイムでこのような災害に対応管理する方法を訓練された守衛を置くといった取り組みの必要性が明らかになりました」
ディナ氏はさらに「一般的に教会には発火しやすい素材が多くあります。特に歴史的で宗教的なキリスト教における人物を描くのに使われる素材、木製の座席、祭壇を飾る布などです」と付け加えた。
エジプトのコプト教活動家のなかには教会の火災が2013年8月14日のカイロとギザ におけるムスリム同胞団抗議デモの解散記念日と一致すると指摘する者もいる。コプト人のハナン・フィクリ氏は「奇妙な偶然」だとフェイスブックで語っている。
コプト教活動家のマグディ・カリル氏はアラブニュースに次のように述べた。「エジプトでは50年間で数百もの教会が焼け落ちましたがまったく調査はされてきていません。それどころか電気系統のショートかエアコンが原因だったというのが事前に準備された回答です」
またマグディ氏は「エジプトには週7日エアコンを稼働しているモスクが数百とありますが、モスクでの電気系統のショートやエアコン装置による火災は聞いたことがありません」とも述べた。
最近の火災は教会だけでなく、アレクサンドリアにあるカルフールスーパーマーケットやギザのバドラシン中央病院でも起こっている。これらの火災によって主に窒息状態による負傷者が出た。