モハメド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナの法律機関は、イスラエル軍当局が、事前通告なしにパレスチナ人コミュニティの建物や農業施設を取り壊し、西岸地区のC地区の一部を空き地化することを一方的に決定したことを非難した。
エルサレム法律扶助センターは、イスラエル国防軍の執行機関であるイスラエル民政局と最高機関評議会が、C地区を空き地化するためのイスラエルの占領計画疑惑に加担していると非難した。
同センターは、イスラエル当局から「詳細案を提出しても、建設ファイルにある取り壊し決定の実施を凍結・阻止することはできない」とする簡素な回答を受け取ったことに驚いたという。
エルサレム法律扶助センターによると、詳細案の提出は何年も前から行われている手続きであり、行政裁判所に出向いて仮の取り壊し許可を受ける前に、所定の法的手続きを踏む必要があるという。
近年、同センターの弁護士が追跡調査しているファイルには、何百もの詳細案が提出されているが、そのほとんどではまだ審理の日程が設定されていない。
同センターの地域擁護部門の責任者であるアブドゥラ・ハマド氏は、アラブニュースに対して次のように語った。「こうしたイスラエルの措置により、C地区の約700の建物や農業施設は、イスラエルの裁判所からの控訴の決定が出る前に、いつ取り壊されてもおかしくない状態です」
ハマド氏は、「この措置のせいで取り壊しを防ぐことができないため、パレスチナ人はC地区に投資することができず、行政から建築許可を得ることもできないのです」と説明した。
さらにハマド氏は、すでにこの地域に投資している人たちは、常に不安の中で生活していることを明かした。
ハマド氏によると、取り壊しの危機にさらされている建造物の多くは、ヨーロッパの援助を受けて建設されたものだという。
ハマド氏は、今年に入ってから6月末までに、C地区では500の建造物が取り壊され、15万人のパレスチナ人の生活に影響を及ぼしていると強調した。
一方、エルサレム法律扶助センターは、Wall and Settlement Resistance Commission(壁と入植地抵抗委員会)の法務部やその他のパートナーと連携し、イスラエル当局の行為に対応する法的介入を検討するための集中協議を行なっている。
パレスチナ人情報筋はアラブニュースに対し、歴代イスラエル政府が一貫してパレスチナC地区での建築を禁止する一方で、パレスチナ人の土地と水源を侵害しながらイスラエルの入植地を拡大することを認めてきたことを明らかにした。
また情報筋によると、イスラエルは入植者がC地区の上空でドローンを飛ばし、住民の活動を監視することを許可しているという。
同センターは様々な手段を講じているが、その中で最も重要なのはイスラエルの裁判所への働きかけである。
それでもエルサレム法律扶助センターの擁護者らは、イスラエル占領下の司法制度は不公平であり、取り壊しを合法化しようとすると考えている。
国連人道問題調整事務所の記録によると、イスラエルは2021年、C地区で1,673の施設を取り壊し、3,382人を退去させた。
2009年から2022年8月までで、イスラエルは同エリアで8,665の施設を破壊し、1万2,771人を転居させた。